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芝山町のシンボル!はにわが国の重要文化財として指定【芝山町】
- 2025/1/17
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【写真】はにわ博物館展示室の姫塚埴輪
昨年8月、千葉県殿塚古墳・姫塚古墳出土埴輪(総数48点うち殿塚古墳30点、姫塚古墳18点)が、国の重要文化財として指定された。千葉県で考古資料としての重要文化財が新規に指定されるのは、平成15年以来、21年ぶり4件目の快挙となる。さらに、出土した遺跡(国指定史跡・芝山古墳群)と出土品(埴輪)の両方が国の指定となったのは、県内でも初となった。
殿塚古墳及び姫塚古墳は、横芝光町中台に所在する国指定史跡・芝山古墳群を構成する前方後円墳で、6世紀後半の築造と考えられている。今回指定を受けた埴輪は、昭和31年に地元住民の協力を得ながら、芝山仁王尊・観音教寺と早稲田大学が共同で学術調査を行った際に出土したものである。今回、国重要文化財として指定を受けたことについて、埴輪を展示している『芝山町立芝山古墳・はにわ博物館』館長の奥住淳さんは、「学術的・歴史的な価値が高く評価されたことが、とても嬉しいです。古墳の発掘を発案し長らく出土品を適切に管理してきた観音教寺、発掘調査や埴輪の整理・研究を実施してきた早稲田大学などの関係者のご努力によるもので、感謝しています」と話す。また、姫塚古墳で出土している人物埴輪には特徴があり、その理由についても、「この地方の首長に連なる人々で、儀式の様子などを表していると推測されています。千葉県で出土する埴輪で、殿塚・姫塚など山武地域で出土するものは、全身像で表情は豊か、衣服や装身具なども写実的に表現されています。一方、手賀沼・印旛沼や利根川流域で出土する埴輪は、半身像で顔や衣服の表現を簡略化しています。埴輪を製作する集団が異なっていて、地域性が見られます」と、続けた。

同町では、町を挙げて開催される芝山はにわ祭をはじめ、町を縦断する県道が『芝山はにわ道』と愛称が付けられ、沿道に57体のはにわ像が設置されるなど、埴輪が町のシンボルとして定着している。発掘から68年が経過した今、改めて埴輪の価値が再認識されるのではないだろうか。
『芝山古墳・はにわ博物館』は、『房総の古墳と埴輪』をテーマに昭和63年に開館。埴輪約180体を一堂に集めて展示している。また、古墳時代の衣食住の様子として、『芝山はにわ祭』で使用される古代衣装や竪穴住居が復元されている。イベントでは、ゴールデンウイークや夏休みなどに勾玉づくりや火おこし体験を開催しており、親子連れを中心とした参加者から人気があるとか。
今後の展望について、館長は「今年は第40回の芝山はにわ祭、来年には殿塚・姫塚古墳の発掘から70周年を迎えるので、様々なイベントを実施したいです。また今回を機に、当館周辺の芝山仁王尊・門前の旧旅館・旧藪家住宅などの文化遺産を一体的に活用していくことを目指した『ヒストリーパークしばやま活用推進協議会』が発足しました。更に『はにわの町・芝山』の魅力発信に努めていきたいです」と語った。

