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【御宿町】御宿に流れる人や空気の温かさを感じて イラストレーター 西本 修さん
- 2019/3/28
- シティライフ掲載記事, 外房版
- 外房

御宿町のシンボルキャラクター『エビアミーゴ君』の生みの親である西本修さんは広島県生まれ。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科を卒業後、東京を拠点にフリーのイラストレーター、造形作家、アートディレクターとして活動した。現在は家族と共に広島県に住んでいるが、2009年に生まれた長女をゆったりした環境で育てたいと、神奈川県から御宿町に引っ越し4年間を過ごした。
御宿町に住み始めてすぐ、町が『地域資源を活用した魅力ある観光推進事業』の一環としてシンボルキャラクターを募集。西本さんも応募したところ、418点の作品の中から最優秀賞に選ばれたイラストがエビアミーゴ君だった。「御宿といえばイセエビ。スペイン語で友達という意味のアミーゴ、それに地元の漁師さんが大事にしているエビ網(えびあみ)を合わせてエビアミーゴというキャラクター名を考えました」
エビアミーゴ君は御宿町に住む好奇心が旺盛な小学生。カラスが苦手で好きな食べ物はタコスとラーメン。特技はサーフィンという設定で、いつもソンブレロというメキシコのつばの広い男性用の帽子をかぶっている。家族もいて、お父さんは世界中をまわる船の船長だったエビパードレ、お母さんのエビマードレは海女でパソコンが苦手、フラダンスが好きなのでハワイに行きたいと思っている。妹はまだ幼く、おしゃぶりが大好きなエビペケーニョ。エビセニョリータというガールフレンドまでいるそうだ。
なぜ家族らの名前がスペイン風かというと、御宿町とメキシコとの交流があるからで、1609年、総督ドン・ロドリゴがスペイン領のフィリピンでの任務を終えガレオン船でメキシコに向かう途中、御宿町岩和田の沖合で嵐に遭遇し座礁。村民たちは流れ着いた乗組員を献身的に介抱した。これは日本初の民間外交といわれ、その縁で日本とメキシコとの交流が始まったという史実がある。
「御宿に初めて来た時に感じた空気の流れと人の優しさ。そこも気に入って住み始めましたが、住む人の昔から受け継がれた気質だと思いました。江戸時代に船員を救助した同じ海岸で、毎年、水難救助のライフセービング大会が行われているのも縁を感じます」
続く御宿とのかかわり
昨年9月から約2カ月間、月の沙漠記念館において『にしもとおさむ作品展』が開催された。作品展ではエビアミーゴファミリーに加え、『サンガ』、『ココ』、『ナメロー』といった地域に縁のあるネーミングの新たなキャラクターも登場し、それらを絵柄として使ったトランプも展示した。

また数年前から始めた藍の型染で波や魚、ウミガメ、サボテン、海岸に設置されているラクダ像など、御宿に関連したものをモチーフとして発表。また最近ではサーファーが多く集まる御宿町の海の江戸時代から現代までの歴史を一枚のサーフボードに描き展示した。
「このサーフボードは現在、御宿駅横にある観光案内所で展示されています。御宿を訪れるたくさんの方々に見てもらえれば嬉しいです」と西本さん。これまでも西本さんは仕事で東京に来ることがあれば、知り合いが多い御宿町まで足をのばすこともあり、町とのつながりを大切に考えてきた。次回の西本さんの作品展を期待したい。
問合せ:西本修さん
TEL.090・1995・5621
www.nishimoto-osamu.com