合言葉は「楽しむ」! 行こう、アンサンブルが心地よく響く世界へ~市原シニアアンサンブルこすもす~【市原市】

 5月26日(日)、市原市市民会館の大ホールで『第17回 シニアアンサンブル全国大会 創立25周年記念』が開催される。主催はNPO法人全日本シニアアンサンブル連盟で、千葉県を中心に東京都や埼玉県、茨城県などから計12楽団、約250人が集結し、世界や日本のなつかしい名曲を披露する。2年に一度行われる同大会だが、市原市での開催は初めて。今回の大会では、市原市で10年以上活動している『市原シニアアンサンブルこすもす』が実施を担当。団員29名が一丸となって、準備を進めている。代表の松永恒文(つねぶみ)さんは、「日頃はそれぞれの地域で活動している兄弟シニアアンサンブルの演奏を聴くことができるまたとないチャンスです。私たち団員にとっても色々と学べることがあるでしょう。大ホールは音の響きも良いと思うので、楽しみです」と期待をにじませた。

活動の軌跡

松永さん

 2010年4月に結成された『市原シニアアンサンブルこすもす』は、当時、千葉シニアアンサンブルで活動していた市原市在住の団員が中心となって発足。シニア世代による音楽活動を発展させる目的で、現在に至るまで『楽しむ!』をモットーに練習に励んでいる。松永さんは結成当初のメンバーで、「私は定年を機に楽器を始めました。団員の音楽の経験年数は様々で、学生の頃からやっていた者もいれば、私のようにシニア世代になってからという人も多いです。興味のある方は、いらしてください」と、語る。定例練習は、毎週木曜日に市原市ちはら台にあるコミュニティセンターで行われている(市原市八幡宿・青少年会館の時あり)。13時から16時まで、休憩を挟みつつ団員の皆さんは合奏練習に励んでいた。

大野さん

 そんな練習で、全員の前で指揮をとるのは、講師の大野悦男さん。国立音楽大学卒業後、主に講師として指導育成に携わりながら、後にヤマハ音楽振興会にて音楽教室講師の指導管理の業務も担った。取材した4月下旬の練習日、大野さんは様々な楽器の音に耳を澄ませながら、軽やかに指揮を執った。「教える上で気をつけているのは、演奏する人、聴く人が楽しむこと。団員の数が増えると、色んな音が重なってより綺麗だと思います。ただ、みなさん毎週通って来てくれるので、楽しんでくれているのかな」と、茶目っ気たっぷりに笑う、大野さん。そんな大野さんを、団員の方々も絶賛。「繊細な方なんだと思います。楽譜では表現されていない細やかな部分を教えてくれるので、とても面白いです!私も定年を機にフルートを始めて、初めの5年間は個人教室に行きました。その後、ここに加わって5年が経ちました。毎週木曜日に合奏するために、毎日自宅で猛特訓しています」と、楽しそうに話した。この日は、全国大会に向けて課題の5曲を繰り返し演奏。ウィーン、ブラジル、瀬戸の花嫁など多種多様な曲がずらり。「低音のバランスに気をつけて」、「そこのリズムはもっとゆっくり」など、大野さんは細かい部分まで丁寧に指導。また、団員も「2つあるフレーズのうち、最後の方はゆっくり演奏してみたらどうかな」など、積極的に意見を出す姿が印象的だった。

こすもすが目指す道

「毎年、市の文化祭やクリスマスコンサート等をしながら、長年活動してきました。ただ、苦しい時もありました。数年間続いたコロナ禍では、練習会場が使用できず、一時活動はストップ、各自で練習するのみの日々でした。今では毎週活動できて、今度の全国大会はみんなの士気も十分に高まっています」と、松永さんは意気込みを語った。

まさに、コロナ禍で変化した団員もいる。「私は結成当初から参加しています。ずっとフルートでしたが、弦楽器に憧れがありました。コロナ禍後、チェロに転向したんです。楽器の選択は個々の意志をとても反映してくれて有難いです。みなさんパート練習や自宅で特訓をされているかと思いますが、私もご迷惑にならぬよう頑張ります!」と、楽しそうに宣言。なんと、楽譜の編曲はすべて大野さんが担当しているとか。『市原シニアアンサンブルこすもす』の奏でる『楽しい』音楽を、ぜひ聴きにいってみてはいかが。

 

●シニアアンサンブル全国大会

5月26日(日) 開場12時半・開演13時から

市原市市民会館大ホール 入場無料 先着1500名

問合せ:松永さん

Tel.090・9146・0504

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