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お寺でつくる『お薬師とうふ』、お寺で味わう『白蓮華』御膳~長南町・東光寺~

【写真】豆腐づくりのスタッフ。前列中央が今井住職

 長南町市野々の東光寺では、2021年8月より『お薬師とうふ』を製造販売している。名前は寺の本尊の薬師如来にあやかり名付けられた。日本の豆腐づくりは、奈良時代に遣唐使の僧侶が豆腐の作り方を学び日本に持ち帰ったのが起源とされる。同寺では古(いにしえ)に倣い、寺での豆腐づくりを再現した。2024年12月には、『お寺御膳 白蓮華』をオープン。毎月第1・3日曜日の時間指定予約制で、季節ごとに趣向を凝らした豆腐料理と、その御膳を本堂でゆっくりといただく静かな時間が提供される。

昔ながらの豆腐

 お薬師とうふは、東光寺住職・今井長新さん(87)の豆腐への並々ならぬ思いから始まった。「小さい時によくお豆腐をお鍋で買いに行かされた。当時の本物の豆腐の味が忘れられない」。そんな今井さんが、現在、豆腐製造のアドバイザーとしてスタッフに名を連ねる小倉利一さんと2018年頃に出会う。食品関係に従事する小倉さんは、おからを食材としてもっと有効活用できないかと模索し、おからの口あたりを滑らかにする製法の特許も取得していた。「住職と豆腐を作ろうという話になり、話はポンポンと進みました」と、小倉さん。町内の廃業した豆腐屋から譲り受けた機械を整備・改良して、2020年11月には豆腐の試作を始めた。

販売商品の絹豆腐

 スタッフの先頭を走るのが、今井住職だ。直売所に自ら立ち、配達にも赴く。「常に笑顔」「一番動く働き者」「アイディアの宝庫」と皆が口々に言うように、バイタリティーあふれる今井さんの周りには自然と人が集まる。スタッフは、尊敬の念と親しみを込めて「師匠」と呼んでいる。「師匠は、私たちが寒い思いをしないように、1時間前に来てたき火をたいたり、厨房を暖めておいてくれます」と、遠藤さん。今井さんの姪で、同寺僧侶の板倉良恵(りょうけい)さんは、「スタッフの一人ひとりがそれぞれの場で自分らしく仕事できることが、師匠の一番大切にしていることです。みんなで和気あいあいと働けることが本当にうれしい」と話す。
 直売所での販売商品は、木綿豆腐230円、絹豆腐210円、がんも2個入り250円、厚揚げ1枚230円、おからコロッケ1個130円、『季節の野菜の白和え』などの総菜が1パック200円(いずれも税込)。総菜は水・土のみの販売。

配達トラック。描かれた似顔絵は住職そっくり

日本一美味しいものを

 白蓮華オープンの最初のメニューは、豆腐の味が引き立つ『湯豆腐』だ。これに『根菜と凍り豆腐の炒り煮』など三種の総菜、古代米入りごはん、香の物が加わり、1500円(税込)。第1・3日曜日、11時~と12時45分~の2部に分け、1日20名限定の予約制となっている。食後、希望者には住職が健康祈願を行う。板倉さんは、「吟味を重ねた地産地消のメニューです。木綿豆腐はフワッと仕上がっているので、湯豆腐の出汁に豆腐の旨みが染み出します。最後にタレの下総醤油と合わせて、お出汁まで美味しく召し上がっていただけるのがお薬師とうふならではです。そして豆腐の味もさることながら、お寺の雰囲気も味わっていただきたいと思います」と説明する。

お寺御膳

堂内には『喫茶去』(きっさこ)と書かれた額が掛けられた。今井さんは、「この言葉にはもともと『お茶を飲んで悟る』という意味がある。白蓮華に来たお客さんも気軽に食事をしていただいて、仏の教えをいくらかでも悟ってもらえたらという願いがあります。悟るとは幸せな生活を送るということです」と語る。次なる目標は「来る人の心に寄り添えるようなカフェを開く」こと。おからのスイーツも考案中だそうだ。「スタッフには日本一美味しいものを作るんだよと言っています。白蓮華の名が日本中にとどろくよう、千葉に東光寺の白蓮華ありと、なりたい。スタッフ一同頑張って、いいものを、いいものを、と作っています。ぜひ一度おこしください」。詳しくは、ホームページか問合せを。

問合せ:東光寺
長南町市野々2698
Tel.0475・47・3939
HP:www.tokojichiba.net

・白蓮華予約専用
Tel.080・1883・9181

・直売所
長南町市野々2593
早朝から日暮れまで、法要などで不定休有

・お薬師とうふ取扱店
茂原市・JA長生ながいき市場/白子町・げんきの里ひまわり
長柄町・道の駅ながら/長南町・長生たまご館、ちょなマルシェ