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東京2025デフリンピック 日本初開催~千葉聾学校で応援の取り組み~【千葉市】

【写真】YouTube千葉県公式PRチャンネルデフリンピック応援動画撮影にて。熊谷千葉県知事、チーバくんとデフリンピック推進委員会のメンバー

 11月15日(土)~26日(水)、『第25回夏季デフリンピック競技大会東京2025』が開催される。デフリンピックは、耳のきこえない、きこえにくい人のための国際スポーツ大会。オリンピックと同じく4年に1度、夏季大会と冬季大会が2年毎に開催されている。東京大会は、1924年にパリで第1回デフリンピックが開催されてから100周年の記念となる大会で、日本では初開催となる。競技の基本的なルールはオリンピックと同じだが、デフリンピックの競技運営には国際手話の他、スタートランプや旗などを利用し、きこえない、きこえにくい選手が適切に情報が得られるよう様々な工夫がされている。競技は全21競技で、陸上、水泳、サッカーなどと並び、オリエンテーリングやボーリングといった種目もある。
 千葉市緑区の千葉聾学校は、これまで14名の卒業生がデフリンピアンとして活躍している。2017年トルコ・サムスン大会では、バレーボール部出身の村木玲奈さんが、バレーボールの代表選手として金メダルに輝いた。
 同校では令和6年度より、小・中・高等部の児童会と生徒会を中心に『デフリンピック推進委員会』を組織し、デフリンピック開催へ向け機運を高める取り組みを行っている。同校教諭で『デフリンピック推進係』の木村圭介さんは、「初めはほとんどの子どもたちがデフリンピックを知らない状況でしたが、様々な応援の取り組みを子どもたち主導で進めることで、デフリンピックへの認知度や興味関心を高めてきました」と説明する。推進委員長の高等部3年・大塚雄太さんは、「デフリンピックに出場する選手たちに応援の気持ちを込めて、手話ソングや応援キャラクター、応援旗を作りました。私たちの応援が選手に届くといいなと思っています」と話す。

オリジナル応援キャラクター『ミミゾウ君』とメッセージいっぱいの応援旗(左)

様々な競技のデフ世界記録が校内のアートウオールに

6月25日には同校体育館で『デフリンピック壮行会』を開催。卓球選手4名と陸上選手2名を招き、幼稚部から高等部の子どもたちが応援手話ソング『勇気100%』やダンスなどを披露し、応援メッセージいっぱいの応援旗を贈呈した。応援旗の中央には、全校からの募集で決定したオリジナル応援キャラクター『ミミゾウ君』。メッセージには、全校幼児・児童・生徒、教職員、保護者に加え、校外の交流イベントでも多くの言葉が寄せられた。手づくりの心のこもった壮行会は、選手たちの満面の笑みを誘った。推進委員会のメンバーは、「デフリンピックの選手たちが来校し、いろいろお話が出来て思い出に残った」「学校に来てくれた選手がメダルを獲ってくれることを期待しています」と語る。
 デフリンピック推進係の教諭・藤田正樹さんは、「刺激を受けて国際手話を学んでいる高校生もいます。子どもたちが興味をもって、今後日本代表を目指してくれるようになるとうれしい。実際に試合を観戦できるのも楽しみです」。木村さんは、「デフリンピックの認知度はまだ低く、選手は自費で遠征するなど資金面で苦労している。東京大会をきっかけに日本全体でデフスポーツを盛り上げることができたら。そして、社会での聴覚障害者への理解が進むと良いと思っています」と話す。
 デフリンピックの競技観戦は申込不要で無料。会場は、東京体育館、駒沢オリンピック公園総合運動場など。詳しくは大会ホームぺージを参考に。

●東京2025デフリンピック HP
https://deaflympics2025-games.jp

校内掲示板の前で。木村さん(右)と藤田さん