CITYLIFE 地域情報紙シティライフ 未来へはばたけ!サッカー少年少女たちよ~フエルテ市原・監督 益満慎一さん~【市原市】 2025.04.11 【写真】クラブ主催の交流試合に参加した子どもたち 市原市を中心に活動しているサッカークラブ『フエルテ市原』。現在、中学生17名、小学生8名が所属し、週5回の練習に励んでいる。「2023年6月に発足しました。学年や性別の異なるチームメイトと触れ合い、お互い良いところを盗み、ダメなところを指摘し合えるようなチームを目指しています。目標は、5年後に千葉県リーグの3部リーグの上位にいることです」と話すのは、監督の益満慎一さん。そのために必要なこととして、『練習だけではなく、サッカー以外でも子どもたちが個人的にチャレンジすることを増やすなど積極的な姿勢』があるという。 スポーツと向き合う 2月24日、市原市八幡にあるスポレクパークでは、同クラブ主催の交流試合が行われた。参加したのは、同クラブを含めて白金FCや辰巳台FC、ときがねFC、アレグラッソ君津、みずほFC、白幡FC、東海FC、パサニオール誉田など9つのクラブ。「今回の交流試合も、子どもたちが自分たちで『どうしたら勝てるのか』を考え、自主性を養うことを目的としています」という益満さんに話を聞くと、子どもたちを取り巻くサッカー環境の現在と過去の違い、そして課題が見えてきた。 少子化に伴い、各地域に存在する小学校の統廃合や活動の縮小については、周知の事実である。また、時代の流れが人間同士の関り方を変化させるのも、誰もが感じていることだろう。『クラブ活動』への参加も、そのひとつ。市原市サッカー協会副会長の石井昭夫さんは、「30数年間、子どもたちのサッカー環境を見ていて変化したことは、まずクラブチーム数が増えたことです。かつてサッカーは部活動として学校中心に行われていました。土日も保護者と先生で活動を見守り成り立っていたんです」と説明する。だが、近年は教師における労働環境改善問題や子どもたちの放課後の過ごし方の変化によって、部活動はかなりの割合で減少している。「国は部活動の地域移行を推進しているが、問題は多いです。クラブチームは両親が積極的に参加してくれるものの、子どもが卒業すると並行して親も抜けてしまう。そうなると、また一から環境を作らなければならないし、費用面でも大変なことはあります」と、課題を上げる。 監督・益満さん 一方、現在は子どもたちにとって技術面で恵まれていることも多い。かつては、ボールひとつ持って何度も繰り返し壁に打ち付けてコツを掴んでいた。それが今では、色々な動画を簡単に見ることができ、学ぶべき情報が溢れているのだ。とはいえ、石井さんは「子どもたちは、有名選手のダイジェストをただピンポイントで追うことが多い。11人制だった選手が小学生サッカーでは8人に減ったことで、コートのスペースが広くなった。身体能力だけでなく、色々と頭を使って、自分以外の選手の動きを予測して楽しむことを学んで欲しい」と、切実な思いを告げた。同様の想いをもつ益満さんは、チームの練習方法について、「どんな風に伝えれば、子どもが興味を持ってくれるかを大切にしています。たとえば週4回は、サッカーの技術面の練習の日。もう1回は隔週で、みんなで試合のビデオを見るチームミーティング。また、怪我を防ぐための身体づくりをするパーソナルジムでのトレーニングも取り入れています」と、万全の対策。その思いを受けて、子どもたちは『こうすると、うまくできる』、『コートの外で何を考えていたか』などを話し合っているという。 協会副会長・石井さん 夢中になる素晴らしさ 『サッカーが好き!』、この気持ちはいつの時代もプレーする子どもたちに共通する想いだ。同クラブ所属のメンバーも例外ではない。中2の片岡晴一郎君は、「幼稚園くらいに始めました。試合が楽しいし、ゴールが決まると気持ちいいです。走ることが苦手なので、腕立てなどトレーニングに力を入れています」と話す。また、大網白里市から練習に通う中1の荒木美咲さんは、「通うのは大変ですが、自分が苦手なところをきちんと教えてくれるので嬉しいです。それに、『挨拶をきちんとする』、『ふざける時とやる時のメリハリをつける』など、学校ではあまり言われないことを指導されるので貴重かな」と、はにかんだ。同じく中1の益満あきと君は、「走って敵をはがして、ゴールできると嬉しい!もっと上手くなって、日本代表を目指したいです」と意気込みを見せた。 今まで学校の部活動で子どもたちが活躍できていた場が減り、熟練者は有名クラブチームへ引き抜かれる。それでは、地域で純粋に『スポーツが好き!』な子どもたちはどこへ向かえばいいのか。「私は、このクラブを子どもたちの『サードプレイス』にしたいです。自宅でも、親戚の家でもない第3の大切な場所。サッカーの技術だけでなく、集団で生きるために必要な個性を伸ばしてあげたい。実際に、目の前で子どもたちが変わっていくのを見られるのが、私の原動力です。そして地域に愛着を持って、将来この地で就職して根付いてくれたら」と、熱い思いを語った。同クラブは、現在メンバーを募集中。詳細は問合せを。 ◆練習日 (月)辰巳台企業グラウンド 18~21時 (水)東海大学付属望洋高校19~21時 (金)五井ヴァリオスジムorチームミーティング 19~21時 (土)辰巳台中学校グランド15~17時 (日)ちはら台南中学校グランド 13時~15時 問合せ:益満さん Tel.080・4172・4173 クラブのメンバー