CITYLIFE 地域情報紙シティライフ ふるさとビジター館 自然探訪~千葉県で初記録!ムラサキヤマンバ~ 2025.12.18 今年の6月、県南のモミ林を歩いていると、ふと樹皮にキノコが出ているのに気づきました。それは爪くらいの小さなキノコで、髪のような毛の束が一緒に出ていました。キノコの形をしたほうは短い柄があって、裏は粗くくっきりとした襞があります。一方の毛の束のようなものは変形菌のオオムラサキホコリに似ていますが、良く見ると違います。こうした2つの形を呈する1種類のキノコというものがあるので、これもそうかな?と写真を撮りました。 博物館に問い合わせると「珍しいムラサキヤマンバ(キシメジ科)かもしれないので標本が欲しい」とのこと。あわてて山へ採取に行き、博物館に標本を送ると、なんと千葉県での発生記録は初とのことでした。現在見つかっているのは、基産地の高尾山の他では、神奈川、長野、山口、筑波山の4カ所のみとのことで、とても珍しいキノコです。 毛のようなものは根状菌糸束と言って、顕微鏡で見るとキノコの形をしているほうの柄の組織とほぼ同じものだとのこと。やはりこの2つのキノコは同じものなんですね。それにしても紫山姥とはすごい名前を付けたものです。なんだか木の中から妖怪が出てきそうな気がしますね!(ナチュラリストネット/加藤恵美子) ◇ナチュラリストネット/自然を愛する仲間の集まりです。豊かな自然環境をいつまでも永く残したいと活動しています。 ◇加藤恵美子ブログ 千葉県の自然見~つけた♪ https://emikocho.blog.fc2.com/