CITYLIFE 地域情報紙シティライフ 体制新たに再始動の年 轟け! 凪の太鼓~和太鼓 凪~【いすみ市】 2026.01.01 和太鼓凪は結成から25年、いすみ市を拠点に活動している。『日本太鼓ジュニアコンクール千葉県大会』で14連覇を達成し、同全国大会では4大会で特別賞を受賞している。昨年2月には、初めての海外となる台湾で演奏を披露した。凪の奏でる太鼓の響きは、地域の祭りや全国各地のイベントで多くの人を魅了し、愛されてきた。昨年10月、これまでの指導者から離れて自らの足で立つことを決意。凪は、新しい体制のもと新たな門出となる年を迎えた。 息を合わせる 凪の結成は2001年。代表の君塚かよ子さんは、長男・友浩さんが4才だった時、「子どもたちが息を合わせて一緒にやれるものがあれば」との思いから太鼓の練習グループを立ち上げた。友浩さんの同級生・加藤元大(げんた)さんが当初通っていた『上総の国房州太鼓』主宰の河野さんが指導に当たり、『凪』という名も名付けた。穏やかになるという意味で同じ読みの『凪ぐ』と『和ぐ(なぐ)』を掛けて、地域やグループの和、繋がりを大事にするという意味が込められている。子どもたちの楽しそうな姿を見て、大人も練習に加わるようになった。 2005年頃よりプロによる指導が始まり、ジュニアチームは2008年に『日本太鼓ジュニアコンクール全国大会』に初出場。上位の成績にはなかなか結びつかなかったが、2010年に転機が訪れる。松岡修造さんのテレビ番組で、友浩さん、元大さん、杉原くるみさんが、太鼓芸能集団『鼓童』の合宿に参加し、中心的メンバーの齊藤栄一さんから指導を受けた。3人の演奏に齊藤さんは「訴えかけてこない」と、一言。振りが揃っている、音が揃っているは大事な要素だが、何を思っているのか何も伝わってこないというのだ。「当時はチームのみんなでどういうことを伝えたいのか考えたこともなかった」と、友浩さん。その時を境に3人の意識ががらりと変わった。「お互いを意識しながら演奏することで、3人で意見が出せるように。互いの意見を重ねることで、良いものを作り上げるという意識が芽生えた」。合宿最終日の3人の演奏に齊藤さんは感動し涙したという。 「他のジュニアチームは中学生だけ、高校生だけと構成が単一ですが、こちらは小1から高3までのバラバラのチーム。息を合わすのが難しかった。合宿で顔の表情や見せ方、音を1つにすることを教わり、みんなで演奏することの難しさ、楽しさがわかるようになった」と、君塚さん。3人は合宿の成果をチームに持ち帰り、練習に活かした。「小学生も高校生に意見を言えるようになりました。初めて特別賞をいただいたのが、その時の全国大会でのことです」と、友浩さんは振り返る。 笑顔でにぎるバチ 子どもたちの成長につれジュニアチームのメンバーが入れ替わり、大会で華々しい成績を重ねながらも、ある時君塚さんの頭の中に疑問符が浮かぶ。「メンバーが意見を言い合うことがない。メンバー間で全国大会へ挑む気持ちに温度差がある」、そう感じた。徐々に「無理をして全国大会に行かなくてもいいのでは」と、思うように。「先生は強いチームを作りたい。私たちは強いチームがすべてではなく、応援してくださる方を元気に、そして自分たちも楽しくやっていきたい、それが本来の姿だという思いが強かった」。そうした中、昨年10月にプロの演奏家に受けた20年程の指導に区切りをつけ、OBOGを中心に練習する新体制で再スタートをきることとなった。 技術的なことを求め退会した人もいたが、『地域に根差した活動』に共感したメンバーが残った。現在のメンバーは、6才から70代の13名。イベントや演奏会にはOBOGが駆け付け、演奏に参加する。新体制ではジュニア、シニアの区別なく、メンバー全員で同じ練習を行う。昨年いすみ市に移住してすぐに入会した髙野いつみさんは、「お腹に響く太鼓の音が気持ちいい。爽快感があります」。仲間入りして10年の山中英司さんは、「いろいろな人と会えるし、練習してうまくいくとすごくうれしい。充実感がある」と話す。OBの安藤涼さんも指導に訪れるひとり。「社会人になって地元を離れている人も、イベントがあると帰ってくる。毎週のようにイベントでいろいろな地域で演奏してきたのはいい思い出です」。元大さんの母・晴子さんは、「太鼓がなければ子育てがうまくいかなかったと思えるくらい。OBOGも仲が良く、家族のようです」と思いを語る。 チームスローガンは『心を1つに』。友浩さんは、「新体制になったことは前向きにとらえている。僕や他のOBOGが先頭に立って引っ張っていく。一から立ち上げて、凪の新しい姿を早くお披露目したい」と、意気込む。現在は凪オリジナルの曲作りにも励んでいる。君塚さんは、「遠方から来てくださるファンの方、凪の太鼓が好きだったお父さんの遺影を持ってきてくださる方もいる。ずっと応援してくださった方々やここが帰って来られる場所と言ってくれるOBOG、新体制の凪に残ってくれたメンバーの為にも、これからも続けていきたい。今年夏くらいからの再始動を目指しています」と、言葉に力を込めた。 和太鼓凪では、メンバーを募集中。練習は、毎週火曜・木曜。岬公民館にて17時~19時。会費月2千円。見学随時可能。興味のある方は、問合せを。 問合せ:和太鼓 凪 君塚さん Tel.0470・87・2761