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開館30周年記念 ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン所蔵 ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に~3/1(日)まで開催中 千葉市美術館~【千葉市】

【写真】現存例の少ない良好な状態の団扇絵も19点展示
葛飾北斎《露草に鶏》団扇絵判錦絵 天保3年(1832)頃

※この記事内の版画作品はすべてRISD美術館蔵
Courtesy of the Museum of Art, Rhode Island School of Design,
Providence Gift of Mrs. John D. Rockefeller, Jr.


 千葉市中央区の千葉市美術館は、1995年11月の開館より30周年を迎えた。2020年の拡張リニューアルを経て、美術を鑑賞するだけでなく、来館者が参加し体験できるスペースも充実させた。今年度は『開館30周年記念』と銘打ち、同館コレクションを中心にテーマを設け企画展を開催してきた。そのフィナーレを飾る『ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン所蔵 ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に』が、3/1(日)まで開催中。浮世絵の中でも花鳥版画を存分に楽しめる、国内では貴重な機会となる。

歴史をつなぐ

 美術館1階のさや堂ホールは、昭和20年の千葉大空襲での消失を免れた旧川崎銀行千葉支店の建物で、市内に残る数少ない近代建築として千葉市指定文化財に登録されている。建築様式は、19世紀前半にヨーロッパから世界に波及したネオ・ルネッサンス様式を取り入れている。美術館建設時に古い建物を新しい建物で覆う『鞘堂方式』を用いたことから、『さや堂ホール』と名付けられた。
 列をなす重厚な柱や床のモザイクタイルなど隅々まで贅をこらした意匠は、昭和2年竣工時から100年の時を超えて、当時の川崎財閥の隆盛ぶりを今に伝える。さや堂ホールはイベントの使用時を除き、美術館営業時間内に自由に見学可能。美術館のビルの中で、歴史的建造物を丸ごと味わうことのできる贅沢な空間だ。

美術館外観(左)
美術館1階・さや堂ホール(右)

美術館を楽しむ

 千葉市美術館のコレクションは約1万点。3つの収集方針『近世から近代の日本絵画と版画』『1945年以降の現代美術』『千葉市を中心とした房総ゆかりの作品』に沿って収集されている。同館は、浮世絵から現代アートまで幅広い企画展を主催し、出展数の豊富さでもファンを唸らせる。同館広報の磯野愛さんは、「当館の企画展は学芸員が1から企画します。他の美術館と同じ作品を扱うにしても、切り口を変えて独自性を出す。千葉市美でしかやっていない展示という自負があります」と力強く語る。
 5年前の拡張リニューアルでは、美術館としての可能性を大きく広げた。企画展示室に加え増設した常設展示室では、展示替えをしながらコレクションのハイライトを紹介できるようになった。もう1つの大きなポイントは、4階の子どもも大人も無料で楽しめるスペース。子どもアトリエ・つくりかけラボでは、アーティストが創り出した空間に来場者の手が加わり、空間は次々と変化していく。いつでもだれでも美術に触れあえる空間だ。図書室には、これまで絵本原画展に展示された絵本や、美術書、手に入りにくい過去の美術展の図録などが豊富に揃っている。「図書室では、美術展で気になったことを帰りに調べていただくこともできます。子ども連れの方も、天候に関わらず、4階ではのびのびと過ごしていただけます。できる限り地域の方に、美術館に親しんでいただきたい。ふらっと立ち寄っていただける場所になればうれしいです」

つくりかけラボ15 齋藤名穂
空間をあむ 手ざわりハンティング
撮影:大倉英揮

花鳥版画を堪能する

 花や鳥を主題とした花鳥版画。開催中のロックフェラー・コレクションは、浮世絵の中でも美人画や風景画ではなく、花鳥版画を中心に据えた世界的にも稀有なコレクションだ。コレクターのアビー・オルドリッチ・ロックフェラー(1874 ~1948)は、石油王ロックフェラーの息子、ジョン・D・ロックフェラー・ジュニアの妻で、暮らしの中で花鳥版画を愛で、日本へも強い憧れを抱いていた。
 今回、同コレクション700点あまりから厳選した163点が35年ぶりに日本へ里帰りした。そのうち、葛飾北斎の作品は14点、歌川広重の作品は110点。また、他に所在が知られていない唯一の版と思われる伊藤若冲の作品は、本邦初公開となる。同館学芸員の田部井栞里さんは、「江戸時代後期の天保年間、北斎は富嶽三十六景を制作していた頃、花鳥版画に取り組み始めました。いろいろな絵師から鳥のとらえ方などを意欲的に学び、筆遣いが非常に巧みです。広重も東海道五十三次を制作し、花鳥版画を手掛けました。広重の描く鳥は可愛らしく、アビーの版画コレクションの半数は広重によるもの。広重は生涯にわたり、寸法や版型も多様で様々な種類の花鳥版画に携わりました」と、説明する。会期中は、講演会やコンサート、浮世絵の摺実演など関連イベントも盛沢山。詳しくはHPか問合せを。「花鳥版画をこれほどまでに大きな規模でご覧いただけるのは、めずらしい機会です。お気に入りの鳥や花を見つけて、アビーさんの気持ちを追体験していただけたらと思います」

(左)現存唯一の若冲作品も日本初公開!
伊藤若冲《雌雄鶏図》木版彩色摺 江戸時代

(右)葛飾北斎《「鷽 垂桜」》中判錦絵
天保5年(1834)頃

問合せ:千葉市美術館
Tel.043・221・2311
HP:https://www.ccma-net.jp/

休室日:月曜(2/23を除く)、2/24(火)
開館:10時~18時(金・土曜は20時まで)
観覧料:一般1800円、大学生1200円、高校生以下無料
    ナイトミュージアム割引:金・土曜18時以降は観覧料2割引

【同時開催】
・7階企画展示室『うるわしき摺物―縁をつむぐ浮世絵』
・5階常設展(休室日:第1・3月曜)『千葉市美術館コレクション選 特集:没後20年ドラッカー・コレクションと山水画(仮称)』 
 

本展招待券を5組10名様にプレゼント!

ハガキ、FAX、メールで、〒・住所・氏名・電話番号などを明記して応募
シティライフ・千葉市美術館招待券係まで 1/26(月)必着 
宛先:〒290-0056 市原市五井4874-1
fax.0436-21-9142
メール: kiji@cl-shop.com

記念切手の図柄ともなった広重の代表作
歌川広重《月に雁》中短冊判錦絵 天保3|6年(1832-35)頃