地域のみんなが集う寺カフェ~今月は何やるの?~【市原市】

 市原市根田にある浄土真宗本願寺派西光寺では、毎月『みんなの寺カフェ』が開催されている。副住職の吉弘一秀さんはこの活動について、「毎月様々な企画をしています。大人や子どもなど年齢や性別、持病の有無に関わらず、基本的にどなたでもウェルカムです。参加料は大人500円、18歳以下は無料で昼食付。みんなが来られる場所にしたいです」と、熱く語る。

 同活動が本格的にスタートしたのは2023年4月。12年ほど前から、寺で『子ども会』の活動はしていたが夏休みのみの不定期だった。「その後、コロナ禍になってしまい対面でのイベントが全くできなくなったのは、みなさんご存じのとおりです。やっと落ち着いた頃、福祉の繋がりの方から『認知症カフェ』の誘いを受けた」という。だが、特定の病を対象とするカフェだと訪れる人も限定される。それなら、色んな企画で門戸を広げようと考えたのだ。今では『顔ヨガ』や『施設選びで大切なこと』、『タオル体操』などのタイトルで人々の交流の場となっている。

 主なスタッフは現在約7名。「国分寺の地域包括の方、ケアマネ、看護師、作業療法士など様々なスタッフがいます。何かあればすぐに共有することを心掛けています。例えば、車いすの方が来ることを事前に情報収集できておらず、トイレの動線などがうまくいかなかった時。相談して、翌月には対応可能にしました」と、吉弘さん。この活動を通して、変わったことはたくさんある。その中でも、「一番は横のつながりがとても増えたことです。情報量がとても多いだけでなく、寺カフェで来てくれた方が折り紙名人だと知ったり、酒屋さんが何か作って持ってきてくれたりと地域の輪が広がっていると感じる」ことが、なにより素晴らしい。吉弘さんは、東日本大震災の際には毎週のようにボランティアへ通ったそうだが、防災だけでなく防犯・安全面でも地域のつながりは大切なことだろう。

自作の紙芝居を読む吉弘さん

「今までの企画の中で一番印象に残っているのは、3月に行った寺カフェ『ぬる』です。本堂全体に白い紙を置き、体全体を使って絵の具で塗りまくりました。講師にパステルアーティストを招き、家では絶対にできない絵との触れ合いをしました」と、笑う吉弘さん。髪まで塗るなど、子どもたちは大人の想像を超える表現をしてくれたとか。「この『みんなの寺カフェ』を通して、子どもには失敗を恐れないことを学んで欲しいです。また、核家族化やコロナを要因に近所の家に遊びにいく機会は減っているはず。お寺を通して、世代を超えた交流をお互いにできればと望んでいます」と、吉弘さんは続けた。

 今後も様々な企画を考案中だ。9月15日開催の寺カフェは『アロマスプレー制作』。身近なハーブを使って抽出したオイルで、自分に合った匂いを制作する予定。申し込み締切は14日(但し定員になり次第〆切)。詳細はホームページを。

 

問合せ:西光寺 市原市根田723の1

    Tel.0436・22・7412

    https://saikohji.net/

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