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鶴舞の魅力は自ら発信!みんなで見て、知って、楽しんで~鶴の会~【市原市】

【写真】ツルマイテラスの前にて、メンバーや参加者の皆さん

 市原市鶴舞にあるツルマイテラスでは、10月から『みんなの居場所』がスタートする。これは市民団体『鶴の会』主催で毎週金曜日、14時から17時まで開催される無料のオープンスペースだ。年齢、性別問わず参加が可能で費用は無料。勉強や遊び、おしゃべりなどをしながら、みんなで楽しく過ごすことを目的としている。『鶴の会』代表の須田さち代さんは、「市原市鶴舞地区には、色んな経験を持つ年配の方々が住んでいらっしゃいます。南総地区全体では出生率も減っていて課題も多くありますが、なにより子どもたち、特にこれから将来を選択していく中高生にとっては刺激を受けられる話がたくさん聞けます。安心して世代間交流ができる場所にしていきたいです」と、語る。「一人ひとりが魅力を発揮できる場所」という同会の活動について、取材した。

新たな活動

『鶴の会』のはじまりは2022年夏のこと。当時、まだ世間はコロナ禍にあり、イベントや行事運営などに対して消極的だった。同地区も例外ではなく、人との交流は減り、街に活気がなくなっていたのは明らかだった。「人口が、特に子どもが減っていく中、行事もなくなっていく。子育て世代としては、このまま消滅してしまうのではないかという大きな危機感があった」という須田さんは、市原市鶴舞の出身だ。高校を卒業後は進学で都心に出たものの、結婚や出産を経て地元に戻ってきた。鶴舞地区は横のつながりも強く、子どもたちは大人に見守られ、教えられて育っていく。地域の人に育てられたという感覚を、子どもたちに忘れてほしくない。そんな強い思いが、須田さんを動かした。「鶴舞地区には、様々な会があって皆さん活動しています。親世代の方々にもお声がけをして、鶴の会の会員数は25名。昨年末には、いちはら市民活動団体としても登録ができた」と、笑顔で話す。活動場所として開設された『ツルマイテラス(市原市鶴舞600)』は、新たなスタート地点だ。
 毎週木曜・日曜の9時からは高齢者を中心に、体操やゲーム、健康マージャンなどが行われている。大通りに面した開放的なスペースで、和気あいあいと麻雀に勤しむ仲間たち。「初めは人数が集まらないかと心配していましたが、9月からの開催6回目にして、どんどん参加者が増えているので嬉しいです。定期的なイベントも、随時開催していけたら」と話すのは、柴崎洋子さん。9月にはプロの人形制作者で人形使いの森川永江さんにより人形劇『はて、はて、はてな?』が公演されたり、10月5日には『栗の渋皮煮を作ってみよう!』が行われたりするなど、色々ことに挑戦している。森川さんは、「鶴舞には染色家や陶芸家、絵本作家や画家など、その道のプロという方が住んでいます。それを教わったり、見たりするって楽しいですよね。でも、どんなことでも皆さん得意なことってあると思うんです。麻雀や栗の渋皮煮もそうです。できる人がみんなに教えて、やってみる。そんな近くて手が届く距離にある『楽しい』を、みんなで作れる場所にしたいです」と熱く語った。

須田さん親子と柴崎さん(左)

サードプレイスにして

 『鶴の会』が行ったイベントは、毎月発行している『さんしょ餅通信』に掲載されている。『さんしょう餅』は鶴舞発祥で、山椒を練り込んだ冬から春にかけて作られる菓子のこと。この通信は地元の回覧板で閲覧でき、また近隣の小学校にも配布されているとか。イベントの告知や報告のほか、『ツルマイテラス』の現状など様々な情報発信をしている。会員の岸本静代さんは、「地区外から鶴舞に遊びに来てもらうことも大切ですが、まずは地元の方々にも『こんな場所があるんだよ』と知って欲しいです。そして、家でも学校でもない。みんなが何かにチャレンジしながら交流を深められる場所にしたいです」と、穏やかに話す。
 今夏、鶴舞地区の盆踊り大会は、アース電機 鶴舞研修所で開催された。研修中の外国人実習生30名も参加し、会場設営や片付けなどを一緒に行うほか、現地のダンスを教えてくれるなどして交流を深めたとか。「鶴舞には、地域の唄が4曲もあるんですが、特に『鶴舞みんよう』は小学生の頃から踊るので、私は絶対に失くしたくなかったんです。コロナ禍で立ち消えになったのを再生しよう、と、2023年の鶴舞小の運動会で復活。みんなで踊ることができました。こんな風に、地域に根付いている歴史を、そっと次の世代に引き継げる環境を作りたいです」と、須田さんは意気込む。
 同会では、春にお花見会、夏には盆踊り、冬にはイルミネーションで街を盛り上げているものの、まだまだ会員を募集している。『ツルマイテラス』の利用スペースも9月に開始したばかり。これから、キッチンの増設や部屋の改装も検討中だが、それも『みんな』で創っていきたいと願っている。「この活動に完成はありません。絶えず交流し、ずっと挑戦していきたいです。そして、困ったときは『ツルマイテラス!』というような、場所にしていきます」と、柴崎さんたちは笑顔を見せた。同会は協力金も随時受け付けている。詳細は問合せを。

鶴の会 参加費:年1000円
問合せ:事務局
Tel.090・2315・8561
メール:tsurumai.ichihara@gmail.com

ツルマイテラスで健康マージャンを楽しむ