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まるでレース! 繊細で清楚なペーパーアート
- 2015/10/9
- シティライフ掲載記事, 市原版

白い半透明の厚手のペーパーが、緻密で美しいレースと見間違うほどの模様となる。オランダから広まった『パーチメントクラフト』は、1990年代前半に日本に入ってきたという、比較的新しいクラフトだ。パーチメントとは、もともと聖書の写本などに使われていた『羊皮紙』を意味し、表紙に浮き彫り模様などを入れていたのが発祥とされる。のちにその技法が南米に伝わり、材料が厚手の紙へと変わり、さらにそれがオランダへと伝わって、現在のペーパークラフトとして確立されたという。
君塚に住む中島弘子さん(51)は、自宅で数多くの作品を制作し、おゆみ野のスクールで講師を担当する。「12年前、東京の友人の作品を見せてもらい、レースと思ったら紙だと言われ、その美しさにたちまち虜に。それまで粘土細工や刺繍、ビーズなど、いろいろ趣味でしていましたが、それ以来、パーチメントしか作らなくなりました」。専用紙は厚手のトレーシングペーパーのよう。そこに図案をトレースし、何種類もの道具と彩色で、浮き彫り、穴開け、ペイント、カットの技法を組み合わせ、デザインを描き出す。絵画的なものからレース状の作品、立体的な飾りや実用的なものまで、様々な作品ができる。しおりやぽち袋、箸置き、ギフト用ボックス、コサージュやバレッタなど、アイデア次第だ。
中島さんは3年前、知人に頼まれて、出産祝いの記念品に小さなベビーシューズを作った。それから度々依頼を受けるようになったが、なかなか自分の作品を販売する気にはなれないという。「でき上がった作品は本当に繊細でキレイで、自分で作ったものでも手放したくなくて。細かい手作業の蓄積で時間もかかりますし、愛着もあって、欲しいと言われてもどうしようって思うんです」。家事の合間のちょっとした時間でも作業に当て、街を歩いていても、図案になりそうなデザインを探してしまう。細かい作業もまったく飽きず、むしろ時間がもったいなくて、テレビも見なくなった。
「今年の2月、入院して脇の下を手術したんですが、その時は『手が動かなくなったらパーチメントができない!』って焦ってました。本当はそれどころじゃなかったはずなんですけどね」と笑う。中島さんは2年に3回程度、東京での展示会などに出品しているが、今後は地域での小さな展示会開催を考えている。「多くの人に実物に触れてもらって、知ってもらう機会を作りたい」。これからも熱心な制作活動が続きそうだ。
問合せ 中島さん
TEL 0436・22・3646
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