ふるさとビジター館 自然探訪~イヌセンボンタケとタシロラン~

 沢沿いを歩いていたら、枯れ木にイヌセンボンタケがびっしりと出ていました。傘の大きさは1センチほどの小さなキノコです。イヌと名の付くものは人の役に立たないのが世の習い、これもキノコ狩りの対象外です。でも人の役には立たなくても、枯れ木を分解して土に還すという大切な仕事をしています。もしこのようなキノコが自然界から消えたら、山は枯れ木のゴミで溢れかえってしまうでしょう。

 またイヌセンボンタケはもうひとつ、素晴らしい仕事をしています。環境省のレッドリストで準絶滅危惧に指定されているタシロランという希少なランがあります。タシロランは葉緑素を持たないため自分で栄養を作ることができず、イヌセンボンタケから栄養をもらって生きています。ガラス細工のように繊細なタシロランの花はこのキノコのおかげで咲くことができるのです。

 近年、気温の上昇で房総丘陵の森林が乾いてきています。湿った場所が好きなイヌセンボンタケは、大きな群生がなかなか見られなくなってきました。同時にタシロランとの出会いも減っています。森の命の循環を担うイヌセンボンタケ、私たち房総の地にいつまでもと願っています。

(ナチュラリストネット/加藤恵美子)

 

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