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勝浦灯台にのぼって壮大なパノラマを!!~特別公開 11/1(土)・2(日)~【勝浦市】

【写真】昨年の特別公開。展望デッキから周囲の景色が眺められる

 11月1日(土)と2日(日)の2日間、勝浦市川津の『勝浦灯台』で特別公開が行われる。11月1日『灯台の日』に合わせ、普段は非公開の内部を見学できる年に1度の機会だ。360度パノラマの展望デッキからは、太平洋やリアス式海岸が一望できる。今回は光源がLED化される前の最後の一般公開に当たり、時間限定で灯室のレンズの見学も実施される。灯台は、GPSなどの測位システムが発達した現代でも、海を行く船舶の安全を支える重要な役割を担っている。近年では、日本の近現代の発展を見つめてきた文化財として、また観光資源としてもその役割を期待される。

外房の海を見守り108年

 白亜八角形の塔の勝浦灯台は、高さ21m。外房の最東端・ひらめケ丘の断崖の上に立つ。灯台が放つ光の色と光り方の組み合わせを『灯質』といい、他の灯台と識別することができる。勝浦灯台の灯質は『群閃白光 毎20秒に2閃光』で、20秒ごとに白い光がピカッピカッと2回光る。レンズはイギリス生まれの第4等フレネルレンズ。フレネルレンズとは、灯台の光を遠くまで届けるために発明された灯台用レンズで、焦点距離によって1等から6等がある。海抜71mの灯室から発せられる光は、このレンズによって約40㎞先まで届けられる。
 海上保安庁が定める灯台の日は、日本初の洋式灯台である神奈川県横須賀市の観音埼灯台が起工された1868年(明治元)11月1日に由来している。観音埼灯台は、幕末に開国した日本が米・英・仏・蘭の4カ国と、江戸条約により灯台の建設を約束した8カ所のうちの1つ。同じく8カ所に含まれる南房総市の野島埼灯台は、1869年12月21日に点灯された。

灯室のフレネルレンズ

 勝浦灯台の点灯は1917年(大正6)3月1日で、千葉県内では南房総市の野島埼灯台、銚子市の犬吠埼灯台に次いで3番目。座礁事故が多発する航海の難所だった勝浦の海に待望の灯りだった。関東大震災の前年、1922年4月の神奈川県東部を震源とするM6・8の浦賀水道地震では、建物に亀裂が入ったものの大きな損害はなく、1923年9月1日の関東大震災でも点灯を続け、当時レンガ造りで倒壊した灯台もあった中、「コンクリート灯台の優秀性を示した」との記録もある。
 1945年、太平洋戦争末期の2月から8月の終戦までの間には、20数回にわたり米海軍艦載機の襲撃を受け、灯台と当時構内にあった宿舎は相当な被害にあったという。戦後は数度の修復と機器の改良が行われ、現在のタイル張りの姿になったのは1987年(昭和62)1月のことだ。今年度中には、点灯当初から108年使用されてきたレンズが、交換のため取り外される。

昭和15年頃の勝浦灯台

灯台の下で賑やかに

 勝浦灯台はすでに無人化され普段敷地内に入る事はできないが、毎月第2・4日曜日を『灯台敷地開放Day』として、構内でタイル張りの灯台を間近に見ることができる(9時~15時)。敷地入口の門扉には、デジタル灯台カードの二次元コードが掲示され、現地を訪れた人はいつでもダウンロードできる。海上保安庁のウェブサイト『ONEタップビュー』を利用すると、勝浦灯台をはじめ全国の灯台の踊り場からのパノラマVR画像や通常公開されていない内部の様子が映し出され、居ながらにして旅行気分に。日本財団の『海と灯台プロジェクト』の一環、『燈(あかり)の守り人』プロジェクトでは、日本全国の灯台をキャラクター化し、豪華声優によるボイスドラマをはじめ、コミック、イベント、グッズ販売などを展開している。勝浦灯台キャラクターは、『身長173㎝、担々麺好き』というプロフィールだ。

燈の守り人キャラクター『勝浦灯台』

 特別公開当日、敷地内には海上保安庁のブースやキッチンカーのほか、勝浦灯台キャラクターの等身大パネルや勝浦市のご当地キャラクター勝浦ガッピ―も登場する。来場記念のノベルティもプレゼント。特別公開は、1日が9時半~14時半(最終14時15分)、2日は9時半~15時(最終14時45分)。見学は完全入れ替え制で、当日整理券を配布する。入場は無料。展望デッキの見学回は、15分毎で定員15名。展望デッキと灯室の見学回のみ海上保安庁職員の解説付きで、20分毎に定員は4名。灯室の見学は小学生以上。小学生以下は、展望デッキのみの見学でも保護者同伴のこと。灯台内部は狭く、急な階段やはしごがあるため、スカートやヒールの高い靴、滑りやすいサンダルは不可。
 1日14時40分頃からは『灯台ウエディング』を挙行し、一般も見学することができる。駐車場は、徒歩10~15分の官軍塚、植村記念公園を利用。JR勝浦駅からは、徒歩30分。市の観光商工課担当者は、「大正6年から使用されるレンズは今回が見納めです。貴重な機会ですので是非お越しください」と話している。見学のスケジュールなど、詳しくはHPか、問合せを。

●問合せ
・勝浦市役所 観光商工課(平日のみ)
Tel.0470・73・6641
HP:https://www.city.katsuura.lg.jp/page/1633.html

・勝浦市観光協会
Tel.0470・73・2500

・海上保安庁HP
HP:https://www.kaiho.mlit.go.jp

勝浦灯台からの雄大な景色