CITYLIFE 地域情報紙シティライフ 特別展 『王と剣~王賜銘鉄剣と倭の五王の時代~』2027年1/11(月・祝)まで開催 市原歴史博物館 【市原市】 2026.10.29 【写真】王賜銘鉄剣 展示室 市原市能満の市原歴史博物館にて、特別展『王と剣~王賜銘鉄剣と倭の五王の時代~』が2027年1/11(月・祝)まで開催されている。市内稲荷台1号墳から出土した『王賜銘鉄剣』の重要文化財指定が決定し、同館は2026年度を通して王賜銘鉄剣に関連する企画展・イベントを展開してきた。いよいよメインとなる特別展では、『5世紀』『倭の五王』『武器・武具』をキーワードに、「剣に刻まれた王とは誰か」「王から剣を授かったのはどんな人物か」という謎に迫りつつ、県内古墳出土の遺物を多数展示し、5世紀の房総の人々の様相を浮き彫りにする。 重文への道のり 王賜銘鉄剣(おうしめいてっけん)が出土した稲荷台1号墳(市内山田橋)は墳丘直径約26mの円墳で、古墳としては中型のもの。1976~77年に国分寺台の造成に伴い発掘調査が行われた。市原を含む内房地域には大型の前方後円墳も分布することから、当初関係者はこの場所からこれほど貴重な遺物が出土するとは予想だにしていなかった。1987年、佐倉市の国立歴史民俗博物館で甲(よろい)の破片などの金属をX線で調査したところ、偶然にもその中に銘文の一部を発見。最終的に剣は全体が3つに割れた状態で見つかり、そのニュースは驚きとともに全国に届けられた。 市は剣を保存しながら展示できる設備を整えた市原歴史博物館を、2022年11月20日にオープン。国立歴史民俗博物館に預けられていた剣は、同館の展示ケースに収められた。ケースの下には窒素タンクが設置され、内部の酸素濃度が0・1%以下になるよう管理されている。「剣の腐食や、象嵌部分の劣化を防ぐため厳重に保管しています。市民の財産を後世にしっかりと引き継いでいきたい」と、同館学芸員は語る。剣が戻ってきたことにより、2023~25年度にX線CTスキャンによる調査を進め、2026年3月に稲荷台1号墳に関する報告書を刊行。同時に、文化庁より重要文化財指定決定の答申を受けた。折しも稲荷台1号墳の発掘開始から50年目のことだった。 調査では鉄剣の銘文について銀象嵌(ぞうがん)とされていたものが金象嵌と判明したことなど、最新情報も特別展で詳しく解説されている。会期中の11月22日には、『開館4周年記念祭』を開催する。 学芸員による解説・重要文化財指定速報展にて 古代のロマンに出会う 国産の有銘鉄剣として最古である王賜銘鉄剣。その年代を解明する重要な鍵となった、共に稲荷台1号墳から出土した土器などの副葬品も、附(つけたり)として重要文化財指定の対象となった。特別展ではそれらに加え、国宝に指定されている埼玉県稲荷山古墳出土『辛亥銘鉄剣』と熊本県江田船山古墳出土『銀象嵌銘太刀』のレプリカも展示されている。 更に注目されるのは、市原に里帰りした姉崎二子塚古墳出土の品々(國學院大學博物館所蔵)で、『石枕』とその装飾品『立花』は重要文化財だ。枕は被葬者の頭部を安定させるもので木製や土製などがあるが、滑石製のものは千葉県北部から茨城県南部の常総地域で出土が多く全国では珍しい。姉崎二子塚古墳は墳丘約114mの市内最大級の前方後円墳で、副葬品の質は市原の古墳の中で群を抜いている。また、古墳時代の甲である『短甲』は、県内発掘の11例のうち10例を展示。『横矧板鋲留短甲(よこはぎいたびょうどめたんこう)』は横長の鉄板を組み合わせ鋲を打って作られ、蝶番(ちょうつがい)によって右前胴を開閉し身に着けることができる、当時の最先端だ。冑(かぶと)などほかの武具と短甲が並ぶ様には迫力がある。その他にも豊富な展示品と丁寧な解説とで、会場はじっくりと時間をかけて回りたいところ。県内古墳出土の数々が時空を超えて一堂に会するまたとない機会。ぜひ会場へ! 12月13日㈰には、シンポジウム『王賜銘鉄剣が意味するもの』を開催。特別展に関連する講座、イベントも目白押し。ミュージアムショップでは千葉大学とコラボした特別展関連グッズを販売中。詳しくはHPか、問合せを。 展示ケースに並ぶ短甲(写真左) 東間部多1号墳出土短甲。右前胴を開いた状態 ・シンポジウム『王賜銘鉄剣の意味するもの』 12/13㈰9時半~16時半 会場:いちはら子ども未来館(weほーる) 参加無料、当日先着250名 ・いちはら郷土学習講座 11/1㈰座学『剣をつくるということ―古墳時代鍛冶技術からみる―』 11/3(火・祝)座学『古墳時代中期の房総』 11/8㈰バスツアー『関東の首長墓を訪ねる』 11/15㈰フィールド『国分寺台の遺跡を歩く』 11/29㈰バスツアー『房総の首長墓を訪ねる』 ・学芸員による展示解説会 特別展期間中の毎週㈰㈷ 12時15分~45分(イベントで休止の場合有) ・有料体験講座 ペーパーナイフづくり、ネームプレートづくり、須恵器風土器づくり、玉アクセサリーづくり ・開館4周年記念祭 11/22㈰ 無料・特別展観覧券要 3次元を体感!『ミニ短甲づくり』、4周年記念○×クイズ大会、拓本しおりづくり、他 問合せ:市原歴史博物館 Tel.0436・41・9344 HP:https://www.imuseum.jp 開館:9時~17時(最終入館16時半) 月曜休館(祝日の場合は翌平日) 観覧料:一般1000円、高校生900円、中学生以下・障がい者と介護者(同人数)無料