森の中で見えてくるもの
- 2014/5/2
- 市原版

森は動物たちの住処。多くの動物たちが休息している昼間にお邪魔して、活動した痕跡を探して歩く。いちはらアート×ミックスのイベント、小湊鐵道月崎駅前で行われているワークショップ『木村崇人と森を遊ぶ』。
静かに合掌し、「お邪魔します」と心で唱えてから足を踏み入れる。目を閉じて光を感じ、足音を出さないように気をつけて進む。そう、森にひっそりと住む、けもののように。そして人が通る道を少し外れ、けもの道へ。姿勢を低くして足を忍ばせる。春先の繁殖期ならではの強い匂いがする。木の幹には泥と鋭い傷が。けものがダニから身を守るため湿地で体に塗った泥を木にこすりつけた痕だという。傷はツノを研いだもの。シカかキョンではないかと木村さんは推察する。さらに目をこらしてみると、木の根本で落ち葉に混じった白や黒の毛を発見。黒くて小さなコロコロした糞も落ちていた。
「しっ」木村さんの合図で参加者は動きを止める。耳をすますと「コンコンコン」鳥が木をつつく音。木の上にいるコゲラのかわいい姿が肉眼でも見えた。「視点を変えてよく観察すると様々なものが見えてきます」と木村さん。
昼食のあとは人間の目線から自然の法則を探しながら帰路に着いた。雑木林の木々の下方には枝がない。見上げると、枝が何本にも分かれて上に伸びている。光を勝ち取るために闘っているのだ。「水や栄養を隅々まで運ぶ毛細血管に似ていませんか。人間も含めて自然は全て地球から同じ力を受けていることが感じられます」
他にも、アザミ、ユキノシタなどの野草の試食、拾った枝を削って芯の部分を絵の具で着色した色鉛筆オブジェ作りなど、森を身体いっぱいに感じ、遊び、学ぶ貴重な体験を楽しんだ。5月10(土)、11日(日)にも開催予定。
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