季節のスケッチ

俳画と文 松下佳紀

散歩をしようと玄関を出て二三歩で今日は寒いなと思う。さらに何歩か進むと風が冷たいぞと思う。しばらくそのまま歩くうちに、ふっと足が止まり、一瞬棒立ちになる、と思いきや私は踵を返す。そうだ手袋をしなければ、と忘れ物をしたように家に戻る▼手袋の使いはじめは、いつもこんなふうだ。早い時は十月の末から使いはじめる。それから翌年の三月まで着用するのだから、かなりの期間手袋の世話になっているのだ▼中には手袋なしで平気な人もいる。どうしても寒いならポケットがあるじゃないか、と言うが私には真似ができない▼ふしぎなことに顔だけは少々の寒さに耐えられるのは、私も世間並みに面の皮が厚いからだろうか。

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