東日本学校吹奏楽大会で金賞を受賞!

市原市立国分寺台中学校 吹奏学部

 今年10月に開催された第18回東日本学校吹奏楽大会(北海道、東北、東関東、西関東、東京都、北陸の6吹奏楽連盟と朝日新聞社主催)で、市原市立国分寺台中学校が金賞を獲得した。中学校部門には30団体が出場し、東関東代表6校のうち千葉県内の中学校は3校。同部は、過去2年に渡り関東大会に出場していたものの、全国規模で開催される東日本大会への出場は初めてという中での快挙だった。
 吹奏学部顧問の髙澤千恵子教諭は、「部員38名で一丸となって練習に励みました。中学校に入ってから楽器を始める生徒も多い中、努力すれば夢は叶うのだということを学んでくれたと思います。学校という義務教育の中で、唯一選べるのが部活です。子ども達の努力はもちろん、色んな人の協力のおかげで今日があります」と話す。部長を務めた3年の阿蘇凛子さんは、「学年問わずチームワークの良さが結果に繋がりました。先輩がやってきたことを引き継げるか、プレッシャーを感じたこともありました。でも、自主的に練習に取り組む仲間に支えてもらいました」と部員達に信頼を寄せた。
 自主性で取り組む姿勢は、高澤教諭が部員達へ出した課題でもあった。「先生は、いつも私達に『じゃあ、どうしたいの?』と問いかけるんです。答えは一つ、練習するしかない。でも、どうするかを考えて自分の中で答えを出すことで、練習することが意志に変わるんです」と、3年副部長の長見芽依さんも続ける。何度練習を繰り返してもうまくいかないパートがある。音程がとれていないのか、他に原因があるのかを探る。演奏がうまくできない原因を把握し、さらに自身と他者の両面から意見を交えることでより音が改善する。『気になる練習』と題して、部員たちはパートごとに気になる部分を繰り返し練習した。
 サックス、トランペット、クラリネットにパーカッションなど。「楽器も老朽化していて、メンテナンスが行き届いていない部分もありました。それでも楽器屋さんのご協力で、なんとか綺麗な音が出せています」と話す高澤教諭。唇の形によって向いている楽器は異なるため、必ずしも自分が希望した楽器を演奏できるわけではない。それでも、「みんなの楽器の特性が違うから、悩みもそれぞれ。共有できる部分とできない部分はあります。でもだからこそ、その中で作り上げる音楽に達成感があるんです」と、阿蘇さんは語る。

メンタルの強さを得た

 数多の楽器が音を重ね合い、一つの曲が完成する。それは、副顧問の後藤友里教諭が、「生徒達の一小節にかける想いの強さに驚き、感動してしまう」というほど。チームワークが良く、真剣に取り組んでいるからこそ、時に後輩から3年生部員に音の指摘が入ることもあった。そして、「高澤先生は、ふとした時に上達したねって声をかけてくれる。それがやる気に繋がるんです。決して簡単には褒めてもらえないけれど、改善点を指摘されないということは音が先生まで届いていない証拠。部活を通して得たのは、メンタルの強さですね」と、部員たちは笑いながら声を揃えた。妥協せずに練習し続けた結果が出たのだ。

 他にも、「演奏中、ソロで吹く時はとても緊張する。でも、おかげで人前に立つことが以前より平気になりました」、「3年最後の年に東日本吹奏楽大会に出場して、辛いこともたくさんあったけれど、まるで漫画の主人公になった夢のような充実感がありました」という声も。そんなメンタルの強さを得たからこそ、東日本学校吹奏楽大会という大舞台であっても、「会場の広さに感動していました」、「来場者が大勢いるより、知り合いに近くで聴かれる方が緊張するんです。ライトがいっぱいあって、星のように綺麗だなって見ていました」と、意外にも冷静だったとか。
 3年生は、11月3日に市原市民会館で開催された『夢の架け橋コンサート』の出演を最後に引退となった。コンクールのテーマ曲でもあった『吹奏楽のための風景詩 陽が昇るとき』、『ドラえもん』、『Paradise Has No Border』の3曲を熱演。超満員の会場は大きな拍手に包まれた。新部長となる2年の深山春奈さんと副部長の斉藤ていさんは、「3年生のおかげで大きな大会にも出場できて勉強になりました。この功績を受け継いで、私たちなりに次に繋げていきたいです」と、強く語った。次の世代が再び、新しい歴史を作り上げていくことだろう。

問合せ 国分寺台中学校
TEL 0436・22・4567

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