季節のスケッチ
- 2013/7/19
- 市原版
季節のスケッチ
俳画と文 松下 佳紀
およそ三十年昔、都会から当地に移住してきた私は、緑あふれる田に純白の大柄な鳥が何羽もいるのを発見し胸が高鳴った。それは白鷺だったが、鶴に似た優美な鳥が人を恐れる様子もなく姿を見せているのが非常に嬉しかった▼白鷺は今もよく見かけるが昔と違い数が少なくなっている。現に彼らは絶滅危惧種になっているとか▼田んぼによく居るのは中鷺だが、大鷺、中鷺、小鷺の三種のうち、小鷺だけは留鳥だそうだ▼トラクターの後を追いかけるように付いていく鷺もいる。トラクターの掘り起こした土の中から出てくる虫を捕食するのだ。カラスなどが一緒なのも面白い。人間と共に様々な生き物が仲良く暮らしている姿は、いかにも平和で好ましい。