~新感覚のスポーツ『スラックライン』
- 2014/1/17
- 市原版
体験したことがない浮遊感!
~新感覚のスポーツ『スラックライン』
皆さんは『スラックライン』というスポーツをご存知だろうか。スラックラインは、2000年代にヨーロッパで盛んになり、普及国ドイツのギボン社が開発した幅広ラインにより更に人気が高まり、数年前から日本でも愛好者が増えてきたニュースポーツだ。2010年にはメーカー主催で、ワールドカップも開催されている。
スラックラインは、2点間に張り渡した専用ラインの上で楽しむスポーツで、綱渡りを低い位置で短い距離にして、子どもから大人まで誰にでも楽しめるようにしたもの。レベルアップによって、高くしたり技(トリック)を取り入れたり様々な楽しみ方ができる。通常、ラインは膝ぐらいの高さに張り、本来は公園や森林の木々等に専用の器具(ラチェット)で設置するが、木でなくともその代わりになるものでもかまわない。
市原市の帝京平成大学では、総合型地域スポーツクラブ『帝京平成スポーツアカデミー』を創設し多彩なプログラムを展開している。スラックラインもそのひとつ、毎週火曜日の16時50分から17時50分まで、千葉キャンパス体育館(市原市うるいど南)で行われている。
取材に伺うと、館内にはバレーボールの支柱にラインが固定されてあった。ひとつはビギナー用の低いライン。もうひとつは高く距離も長いライン。いずれもベルト状で幅は5センチほど。この上を歩くと縦横に揺れる。揺れをコントロールして歩く。基本は歩くことだが、更に座ったりジャンプしたり、技の世界に踏み入れることも自分次第。
取材日は一般の参加者はなく、男子大学生たちが「おっとっとぉ!」、「落ちた~」と盛り上がっていた。みんな膝の高さでラインを綱渡りする中、ひとり4年生の安井忍君は胸ぐらいの高さで様々な技に取り組んでいた。指導をするのは、東京から来た我妻吉信さん。国内ではスラックラインの第一人者。ギボンスラックライン社の専属ライダーで前述のワールドカップでは7位、日本一も決めたことがあるプロ。大会に参戦する傍ら、多数のメディアやイベント出場し、普及活動にも務めている。同校のプログラムには月に1回訪れ、参加者や唯一プログラム開講前から経験があり、大会出場を目指すという安井君の指導にあたっている。我妻プロが来ない日は安井君が皆の指導をすることもあるとか。練習の合間に我妻プロが見せる数々の技。得意のバックフリップは、ライン上でバック転し着地もライン上でという日本でできる人は10人いないといわれる難易度が高い技だ。下には着地した時の衝撃を和らげるため、マットが敷いてある。一方、膝の高さのラインの方には両端に飛び箱が置かれ、たわむラインが張れて硬くなり渡りやすくなっている。
参加者の皆さんに感想を聞くと、「最初は渡れると甘くみてたら渡れなくて…。でも、何回かやって渡れるようになると達成感がある」、「体験したことがない浮遊感が味わえる」、「不思議な楽しい感覚」と笑顔で答えた。我妻プロは「立っているだけでも汗をかくので、新陳代謝が良くなる。集中力も養える。足もとが不安定な状態で全身の筋肉を使うので、下半身のシェイプアップ、体幹部の持久力向上、平衡感覚の強化等ができる。うまく渡るには、まずは何度もやってみることだけど、ポイントとしては両手をあげ万歳して、下を見ず目線は前に、足は真っ直ぐのせることから。競技にはルールがあるが、楽しみでやる分にはルールがないから、マイペースで好きな高さ、長さで気軽に楽しんでください」と語った。スラックラインは、最近ではスポーツ選手の体幹トレーニングとしても注目されている。また、消費カロリーやフィットネス効果も高いと、全国の大学をはじめ、スポーツ施設や病院、児童館、幼稚園等々でも導入されている。
問合せ 帝京平成スポーツアカデミー
TEL 0436・74・6369