上総国分寺の瓦

 市原市役所近くにある上総国分寺・国分尼寺跡。奈良時代に創建された時の瓦が蓮華文軒丸瓦と均整唐草文軒平瓦だということが「5年かけてやっと確信できるようになりました」と1月11日に埋蔵文化財調査センターで開かれた講座『ここまでわかった国分寺の瓦』で所長の田所真さんは話した。
 更に判明したのは、瓦に文様をつける型がそれぞれ一つしか存在しなかったということ。聴講者たちは瓦を観察し、繰り返し使われた型の傷が増えていった痕を確かめた。大量生産には複数の型を用いる方が効率的なはず。「これらの型はただの道具ではなく、特別な価値や意味があったと考えられます」と田所さん。
 他にも、造瓦に際して市周辺郡からの協力があったことや上総国主導のもと、統一的に生産されたことなどがわかっている。
 飢饉などで不安が高まった時代に、聖武天皇は人々の生活の安定を願って各地に国分寺建立の詔を出した。そして光明皇后は薬草を栽培するなど、人民のための救援施設としての役割を国分尼寺に持たせたようである。「疫病という目に見えない恐怖に襲われた光景は東日本大震災時に放射能で汚染された現代と重なる。当時の聖武天皇、光明皇后の思いに目を向けてほしい」と語った。

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