作品展示、芝居やパフォーマンス、農業・スポーツ・アート体験、食の饗宴

~あなたは、どの会場から楽しむ?
中房総国際芸術祭
いちはらアート×ミックス まであと6日

 3月21日(祝)から5月11日(日)までの52日間、南市原で開催される『中房総国際芸術祭いちはらアート×ミックス』。開催を目前に控えた会場を訪ねた。
 内田未来楽校(旧内田小)で作品制作のラストスパートをかけていたのは、作家の瀧澤潔さん。そして、ボランティアの菜の花プレーヤーズの皆さんが、朝から会場整備や展示作業に頑張っていた。昼食は『市原米沢の森を考える会』代表・鶴岡清次さんが奥様手作りのモツ煮を差し入れ。皆で談笑しながら美味しそうに食べる姿が見られた。
 鶴岡さんと出入口の床の補修をしていた瀧澤さんは、「どの部分の修繕にしても、この校舎の持つ昔の風合いを活かすようにしたい。作品については、人の肩の形をしているたくさんのハンガーは群衆を、Tシャツランプシェードも、やはり人の上半身の形をしていて、中は空っぽなんだけど魂がこもっている、それを表現した」と話す。彼の作品は、ワイヤー製ハンガーやTシャツという身近な素材を駆使し、幻想的な空間を創り出している。
 菜の花プレーヤーズの男性は、「あちこちの会場で30回ぐらいボランティアに参加している。少なくとも自分が関わった会場は全て観て回りたい」と、開催を楽しみにしていた。 
 旧高滝小で制作を進め、最終段階の仕上げをと高滝湖畔で寒空の下、奮闘していたのは、作家のKOSUGE1・16/土谷享さん。彼の作品は『湖(うみ)の飛行機』。完成後は高滝湖に巨大な飛行機が浮かぶ。何故、船でなく飛行機?土谷さんは「40年前にダムが造られる時、そこにあった集落はダムの底に沈んだ。沈んだ集落から見れば湖面は空。だから飛行機とした」と話す。制作にはダムに沈んだ集落の皆さんの協力もあったという。
 飛行機は岸から眺めるだけでなく、手漕ぎボートで飛行機まで行き、機上でルアー釣りやルアー作りもできる。もちろん内部では展示も。不思議で変わったルアーが並ぶとのこと。釣り好きにも必見。「イメージとしては宮崎駿さんの魔女の宅急便で、突然町にやってきた飛行船に、町の人たちがお祭りのようにはしゃぎ、ひとつのコミュニティが生まれるシーンがありますが、そんな雰囲気を醸し出せれば」と土谷さん。
 月崎駅前の駅員の旧詰所を、まるごと作品にした『森ラジオ ステーション』。入口から奥へと置かれた枕木の間には土を入れ植物を植え、外の地面とつながっているイメージを持たせ、外の環境から遮断させないようにした。作家の木村崇人さんは「かつて、ここで使われていた物を活かしたいと。線路の枕木を内部に持ってきたのは、人と森をつなぐ駅という意味があり、鉄道の駅と森に導く駅の2つの意味を持つ」と話す。
 建物壁面は緑に覆われ、幾つかの巣箱が設置されている。これは、野鳥用とコウモリ用にと作ったが、「他の動物が入っても面白い」のだとか。また、「自然と交信するようなアンテナのイメージで」と、屋根の上に置かれた青い風見鶏は、建物内部の青い鳥と連動する。 
 市民の森では、岩田草平×プロマイノリティの皆さんとインドの先住民であるサンタル族の男女4人が、地元で調達した竹や藁を使って『サンタルの食堂』を制作中。建物内は自由に出入りできる。会期中の毎週(土)(日)(祝)10~16時30分に食堂は営業し、食堂前のキッチンカーでサンタルカレーを販売。生マサラを使った野菜がメインの油っ気が少ないカレーだそう。平日は移動販売、ワークショップの開催や民族衣装を着て記念撮影、ネックレス等のアクセサリーやマフラーの販売も行われる。
 岩田草平さんは「カースト制のインドにあってサンタル族はアウトカースト。独自の宗教、生産、教育で循環するコミュニティを形成している。村を出れば差別があるが、村にいればパラダイス。最大の少数民族でインドの原風景を残している。私たち日本人と、つい最近まで電気がなかった農村で暮らしていた人たちとの共同プロジェクトです」と話す。
 月出工舎(旧月出小)では、作家さんたちが制作に励み、菜の花プレーヤーズの皆さんは山で伐採作業をしていた。風景と食設計室 ホーのお二人は「市原産の米粉を使ったスイーツや限定20食の団子汁セットなどを販売する食の工房を開きます」と話した。食事を提供する『月と団子』は10時から17時まで営業。地元の比留川畜産のもち豚やベーコン、市原産のトマト等を使ったメニューも提供する。地域の人たちから聞いた風俗習慣や食、風景等について朗読する、食事と朗読『月出る処、今と昔』の上演も。

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