森の中で見えてくるもの

 森は動物たちの住処。多くの動物たちが休息している昼間にお邪魔して、活動した痕跡を探して歩く。いちはらアート×ミックスのイベント、小湊鐵道月崎駅前で行われているワークショップ『木村崇人と森を遊ぶ』。
 静かに合掌し、「お邪魔します」と心で唱えてから足を踏み入れる。目を閉じて光を感じ、足音を出さないように気をつけて進む。そう、森にひっそりと住む、けもののように。そして人が通る道を少し外れ、けもの道へ。姿勢を低くして足を忍ばせる。春先の繁殖期ならではの強い匂いがする。木の幹には泥と鋭い傷が。けものがダニから身を守るため湿地で体に塗った泥を木にこすりつけた痕だという。傷はツノを研いだもの。シカかキョンではないかと木村さんは推察する。さらに目をこらしてみると、木の根本で落ち葉に混じった白や黒の毛を発見。黒くて小さなコロコロした糞も落ちていた。
「しっ」木村さんの合図で参加者は動きを止める。耳をすますと「コンコンコン」鳥が木をつつく音。木の上にいるコゲラのかわいい姿が肉眼でも見えた。「視点を変えてよく観察すると様々なものが見えてきます」と木村さん。
 昼食のあとは人間の目線から自然の法則を探しながら帰路に着いた。雑木林の木々の下方には枝がない。見上げると、枝が何本にも分かれて上に伸びている。光を勝ち取るために闘っているのだ。「水や栄養を隅々まで運ぶ毛細血管に似ていませんか。人間も含めて自然は全て地球から同じ力を受けていることが感じられます」
 他にも、アザミ、ユキノシタなどの野草の試食、拾った枝を削って芯の部分を絵の具で着色した色鉛筆オブジェ作りなど、森を身体いっぱいに感じ、遊び、学ぶ貴重な体験を楽しんだ。5月10(土)、11日(日)にも開催予定。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 額縁の中で、少女が膝を抱えて座っている。母が子を抱いている。林はどこまでも続き、月は海を照らす。孤独、不安、慈しみ、希望。静謐をたたえる絵画…
  2. 「スマイルシンデレラ」渋野日向子選手が、42年ぶりに日本人メジャー優勝を遂げた全英オープン。パッと明るく爽やかなプレースタイルは多くの人に注…
  3.  8月16日(金)、市原市ボランティア連絡協議会(V連協)主催の『夏休み親子体験教室 つくってあそぼう』が、アネッサ(市原市姉崎保健福祉セン…
  4.  現在、市原鶴舞郵便局で開催中の『写真と資料から振り返る市原市の誕生』展。昭和38年5月1日、五井・姉崎・市原・市津・三和の5町が合併して…
  5.  夏から秋、山道を歩くと突然クモの糸に引っかかることがある。クモには申し訳ないが、その後は木の枝を手に、巣を除去しながら歩く。この季節、大き…
  6.  6月の終わり頃になると、いつもの散歩コースに『くちなしの花』が可憐な香りを漂わせて咲いています。私はそこを通るたびに花の香りに癒されて幸せ…
  7.  山武市で食育に力を入れるボランティア団体『アグリさんむ』。平成18年、4町村合併の際に成東、松尾、蓮沼の旧町村の食育グループが統合、3つの…
  8.  防犯特集第2回は、第1回に続き「電話de詐欺」について、その手口の変遷と、最も新しい方法を紹介する。  手口の変化は、犯人グループが警察…
  9. これから開催される市原近郊の『秋祭り』を紹介します。各お祭りは地域毎に様々な特徴があり、とても魅力的です。ぜひ皆さんも気になるお祭りに足を運…
  10. きかんしゃトーマス ファミリーミュージカル ソドー島のたからもの 5年間で30万人以上を動員した大人気ミュージカルがみんなの街にやってくる!…

ピックアップ記事

  1. 額縁の中で、少女が膝を抱えて座っている。母が子を抱いている。林はどこまでも続き、月は海を照らす。孤独、不安、慈しみ、希望。静謐をたたえる絵画…

イベント情報まとめ

  1. ◆サークル 還暦軟式野球・市原クラブ銀杏 (火)(金)9~12時 三和運動広場 第21回全日本選抜還暦軟式野球大会が9/28~10/1、…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る