季節のスケッチ

俳画と文 松下佳紀

蛇が鎌首をもたげたような花。この植物を初めて見た人は一瞬ドッキリするのではなかろうか。その名も恐い蝮蛇草。半日陰の陰湿な山野に四月~七月頃まで生える。草丈三十~六十センチ位。サトイモ科の多年草で有毒▼それにしても奇妙で不気味な形態の植物だ。頭頂部は、その中にある肉穂花序を覆う仏炎苞。緑か暗紫色で白い縦すじがある▼私も初めて見た時は、なんだこれは!?と恐る恐る近寄ったものだ。群生している所もあるが、その時は薄暗い山中にぬっと一本だけ私を見据えるように立っていた。折あれば、ためつすがめつ草花を観察する私が、逆に花のほうから見られていたのである。植物が人を観察する?そんなはずは…。

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