房総往来

古代ハスのロマン  山里 吾郎

 弥生時代の丸木舟内に眠っていた種子が2千年以上の時を超えて美しく花開く。そんな古代ハスのロマンを求めて千葉公園を訪れた▼開花時期は6~7月。園内の一角、弁天池を覆う緑の葉の間から、ピンクの無数の花が伸びている。「今年最高の680個」-職員が笑顔で話す。午前8時過ぎの早朝、ハス池の周囲はカメラを構える観賞客で大変なにぎわいを見せていた▼この古代ハスは発見した大賀一郎博士にちなみ「大賀蓮」と呼ばれる。昭和26年、千葉市の東大検見川厚生農場で、発掘された丸木舟内を調査していた大賀博士ら調査団が3粒のハスの種子を発見した。見つけたのは地元・花園小中の生徒たち。学芸員の説明によれば「雨の多い年でまだ寒い3月。小中生にとって舟の中の土を篩(ふるい)にかける作業は大変だったでしょう。まさに健気な努力が実を結びました」▼大賀博士はこのうち1粒の実の発芽育成に成功。株分けされた蓮根は千葉公園など3カ所に植えられ、4年がかりで次々と大輪の花を咲かせた。世界最古のハスは昭和29年、千葉県天然記念物に認定、平成5年には「千葉市の花」に制定された▼実は拙宅でも7、8年前から容器を使った自前の“ハス田”で古代ハスが育っている。千葉公園を訪ねてから3日後、我が家でも大輪の花が開いた(アップ写真)。群生と変わらぬその美しさに、古代からつながる壮大なロマンを改めて実感した。

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