ふるさとビジター館

威圧感を感じさせる顔つき!?シメ

 シメという冬鳥がいる。飼育鳥である文鳥の仲間に近く、太い嘴を持つ。体長19㎝と文鳥よりやや大きい。11月頃から4月頃にかけて、平地から山地の林や落葉広葉樹の多い街中の公園で、比較的容易に観察できる。
 渡りの時は群れで移動するが、越冬地では単独行動をとる。頭が大きく、尾は短い凹尾、ふっくらとした寸胴型である。頭から腹までほぼ褐色、翼は青黒色、尾羽は黒褐色と全体が地味な色合いであるが、先端が丸くなく、角ばった特異な形状をした紺色の美しい風切羽を持っている。まるでアクセサリーで飾ったかのようなオシャレな羽である。
 しかしながら、シメの特徴はなんといっても淡いピンク色をした太い大きな嘴で、とても目立つ。更に目先が黒く、喉も黒いため、顔つきがきつく、強面で威圧感を感じさせる。小鳥一般に抱く「可愛い」というイメージを持つ人は少ないだろう。
 その大きく太い嘴は種子を潰し食べるためにある。枝に止まって、または地上に降りてホッピングしながら種子を見つけ出し、大きな嘴を器用に使い小さな種子から大きな種子まで飲み込んでいく。庭に餌台を設けヒマワリの種など置いておくと、間近で観察できることがある。一般の小鳥は両足でヒマワリの種を押さえ、嘴でつついて割って、中身を取り出し食べるが、シメの場合は、大きな嘴で挟み込み直接割って、器用に皮を吐き捨て、中身だけ食べる。豪快だ。
 プチッ、プチッと声がしたら、双眼鏡で探してみよう。全体が地味な色合いのため、冬枯れの風景に溶け込んで見つけにくいが、大きな嘴とオシャレな風切り羽の先端を観察できるかもしれない。警戒心が強いので、遠目からそっと観察しよう。

(ナチュラリストネット/岡嘉弘)


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