舞台から夢を発信

 セリフがなく音楽と顔の表情、体の動きだけで物語や感情を豊かに表現するクラシックバレエ。体の軸をしっかりと保ち、手の指先からつま先にまで意識を投じる繊細な動きは見る人を魅了する。昨年12月、市原市市民会館で市原市文化祭の一環である『第22回バレエ合同公演』が開かれ、市内バレエ教室5団体が日頃の練習の成果を発表した。
 前半はそれぞれの教室発表。黒の衣装にカラフルな髪飾りをつけたダンサーたちが、リズミカルなクラシックメドレーに合わせてくるくるとテンポよく踊る演目で幕が明けた。白いドレスで舞う華麗なワルツのあとは『森田優子バレエスタジオ』による『チェロス』。クラシックな雰囲気から一転、前衛的なチェロの音楽に合わせて黒の衣装でダイナミックに踊る。ダンサー1人ひとりの技量やスタイルを際立たせるために、敢えてシンプルな黒を選んだという。そして、スペインの海辺の街での活気あふれる雰囲気を描いた『ドン・キホーテ』など各3団体による華やかな恋物語3作品が続き、拍手とともに客席からは「素敵ね」との声が。
 後半は合同作品発表。市原クラシックバレエ協会代表、森田優子さんが「現実の世界からひととき離れ、舞台を見て明るい気持ちになってもらえたら」との思いで決めたテーマ『夢-ドリーム』。教室ごとに、基礎を大切にしながらも独創性を生かした多彩な夢を披露した。
 「舞台に立つ場数を増やすことで、ダンサーたちに夢を持たせてあげたい」そう話す『パルバレエスタジオ』指導者の浅野真奈美さん。作品では若いダンサーたちの抱える夢をポップに表現した。オレンジ色のドレス、怪しげな動きで『泉バレエ塾』が描いた『奇妙な夢』は不気味な、それでいて心地よく感じる不思議な魅力で観客を惹きつけた。『アートスタジオウイズ』は遊び心をとり入れた『アリスの夢』でおとぎ話の世界へと誘い、『スワンの会』は70年代を彷彿とさせるダンスとファッション、コミカルで楽しい雰囲気の『夢喰い花』で会場を沸かせた。
 「力を出し切ることができた」と満足そうに微笑むダンサーたち。小学生から大人まで、1人ひとりが自らの役割を全うし、気持ちをひとつにして作り上げる舞台。「ステージに立つことが楽しい。ワクワクする」、「いつもと違う自分になれるのが嬉しい」それぞれの夢と思いを乗せた舞台は、ダンサーたちが観客に向かって投げるキャンディープレゼントと大きな拍手で盛大に幕を閉じた。

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