一人じゃない 差し伸べてくれる手は、そこにあるよ

 昨年、袖ケ浦市民会館で開催されたのは『わが子の就職に悩みを抱えている保護者のための相談会』。主催のちば南部地域若者サポートステーション相談員の井出洋さんは、「現在、全国でニートは約80万人、年齢を問わずに家から少ししか出ない人も含めた引きこもりの数は300万人いるという統計があります。一度引きこもってしまうと、初めの一歩を踏み出すのに勇気がいります。しかし、時間がかかっても人は必ず成長します。自分で自分を見捨ててはいけません」と訴える。
 サポートステーション(愛称=サポステ)は厚生労働省認定事業で全国に160、県内に8施設ある。15歳から39歳までの働くことに悩みを抱える若者に対して、専門的な相談やコミュニケーション訓練などによるステップアップを図るサポート施設。登録から半年を目処に卒業(=就職)を目指し、履歴書の指導や面接の練習もサポートしてくれる。「とはいえ、人それぞれなので1年以上かかる方もいます。初めは親御さんのみが見えることもあります。親の孤独感を解消し、年齢がさらに上の方や精神的な問題を抱えている場合には他の施設をご紹介することもできます」と井出さんは続ける。
 同施設を利用し、現在は再就職をした卒業生のKさんは、「私は仕事の圧力をきっかけに退職後、6年間実家に引きこもっていました。38歳を迎えると同時に危機感を覚え、サポステに行きました。当時感じた、緊張と安心を今でもよく覚えています」と体験談を話す。初めは、なるべく人と関わらないようにしていたが、慣れて行くうちに『発声と朗読』など大勢と交わりながらのグループワークに参加。次第に、『グループで何かをする達成感』や『声を出すことの気持ちよさ』を得ていく。
 「決してすぐに状況はよくなりません。でも、お子さんの様子が変わり始めた時は、温かく見守ってあげてください」と語った。

問合せ ちば南部地域若者サポートステーション
TEL 0438・23・3711
木更津市富士見1‐1‐1

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…
  2. 【写真】教室の講師と子どもたち  JR浜野駅前と五井駅前でダンススタジオを経営する堀切徳彦さんは、ダンス仲間にはNALUの…
  3.  市原市不入の市原湖畔美術館にて、企画展『レイクサイドスペシフィック!─夏休みの美術館観察』が7月20日(土)に開幕する。同館は1995年竣…
  4. 【写真】長沼結子さん(中央)と信啓さん(右) 『ちょうなん西小カフェ』は、長生郡長南町の100年以上続いた小学校の廃校をリ…
  5.  沢沿いを歩いていたら、枯れ木にイヌセンボンタケがびっしりと出ていました。傘の大きさは1センチほどの小さなキノコです。イヌと名の付くものは人…
  6. 『道の駅グリーンファーム館山』は、館山市が掲げる地域振興策『食のまちづくり』の拠点施設として今年2月にオープン。温暖な気候と豊かな自然に恵…
  7.  睦沢町在住の風景写真家・清野彰さん写真展『自然の彩り&アートの世界』が、7月16日(火)~31日(水)、つるまい美術館(市原市鶴舞)にて開…
  8.  子育て中の悩みは尽きないものですが、漠然と考えている悩みでも、種類別にしてみると頭の整理ができて、少し楽になるかもしれません。まずは、悩み…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る