美声の覆面レスラー!? ホオジロ

 千葉県の県鳥はホオジロである。県内に生息し、県民に最も親しまれている鳥として、1965年5月10日に選ばれたそうだ。そうなると、千葉に由来があると思いがちだが、じつは全国的に容易に観察できる野鳥だ。それにも関わらずホオジロが千葉県の鳥とされたのは、房総丘陵地帯に広がる里山で1年を通し、頻繁に観察できる身近な野鳥であるからではないかと勝手に推察している。
 大きさはスズメよりわずかに大きい17㎝ほど。喉・頬・眉斑が白く目立ち、それが名前の由来となっている。一方、過眼線・顎の線は黒く、白と黒の帯模様のように見える。正面から見ると歌舞伎の隅取りにも、覆面レスラーにも見えるユニークな顔だ。ホオジロには失礼だが思わず笑ってしまう。
 ホオジロの最大の特徴は、美しいさえずりであろう。繁殖期になると、木のてっぺん当たりにとまり「チョッピチリーチョ、チチーツク」とリズミカルに澄んだ声で野山に響き渡るようにさえずり、私たち聞く者を心地よくさせてくれる。およそ、顔からは想像できない声だ。さえずりを人の言葉に置き換える「聞きなし」も様々で、それだけ人々に親しまれていることになる。有名な聞きなしは、「一筆啓上、つかまつり候」だが、「源平ツツジ、白ツツジ」、「札幌ラーメン、味噌ラーメン」とも聞きなされる。
 メジロとともに愛がん飼養が長年許されていたが、鳥獣保護法の改正により、2008年4月1日以降、捕獲は禁止となった。それでも、里山を歩くと民家の軒下からさえずりが聞こえてくることがある。違法に捕獲されたのであろうか。それが事実ならじつに残念なことである。
 ホオジロのさえずりを聞きに野山に出かけてみよう。そして、自分なりの聞きなしを作ってみよう。ちなみに、私のオリジナルの聞きなしは「ちょっぴり執筆、達筆に」。皆さん、どうでしょうか?
(ナチュラリストネット/岡嘉弘)

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  いつもの房総丘陵の奥で、シイ属の朽木に五百円玉くらいの変わったキノコの幼菌を発見!一カ月ほど経つと表皮が破れ、中からタールのようなテラテラ…
  2.  およそ20年もの間、秋から冬の気温の低い時期にかけて、毎年一年分の手作りベーコンを作ってきました。肉の表面に塩、胡椒、ハーブ類を擦り付け、…
  3.  8月28日(日)まで、千葉市中央区にある千葉市科学館では『科学捜査展season3~真実の相棒~』が開催されている。ミステリーは、小説やド…
  4.  5月24日(火)、五井公民館で『房総太巻き寿司教室』が開催された。主催は市原市ボランティア連絡協議会(以下V連協・鈴木幹夫会長)のFF部。…
  5.  周囲に迷惑をかけず人生を終わらすための『終活』。身の回りの品や資産の整理などの準備を行い、人生のセカンドステージをより良く過ごすためにライ…
  6.  人間誰しも間違いや失敗は起こします。子どもなら尚更です。子どもが間違いや失敗した後に、周りの大人がどのような対応をするかで、その子の考え方…
  7.  茂原市在住・黛葉(まゆずみよう)さんが初めて本を出版しました。飼っていた2匹の猫、マミ&モモのエピソードを抜粋した体験記と、モモのファンタ…
  8.  初夏になると近所にある水路の斜面一画に、藤の花のような紫のグラデーションがきれいな、ナヨクサフジの花が咲き誇ります。  ナヨクサフジは、…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  8月28日(日)まで、千葉市中央区にある千葉市科学館では『科学捜査展season3~真実の相棒~』が開催されている。ミステリーは、小説やド…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る