熱して叩いて 開け、鉄の扉!

 5月3日から8日にかけて開催された『アートいちはら2016春』。旧里見小学校で行われたワークショップ『地熱の扉』に訪れた参加者は、教室に飾られた昨年開催のアートいちはら2015秋で子ども達によって作られた作品に、まず感嘆の声を漏らした。鉄の廃材で作られた架空の動物たちのタイトルには、『かたつむらー』や『ほしザウルス』など独特なものが付けられていた。
 講師の小沢敦志さんは、「今回のワークショップでは、主に市原で集めた廃材を熱して、参加者の方に叩いてもらいます。できた作品は、来年開催のアート×ミックスで制作するオブジェの一部になる予定です」と話す。地元の人々の提供で集めたスプーンやフォーク、そして校舎解体の時に出てきた廃材などを見て、参加者は素材を選ぶ。
 鉄は1300度ほどで熱すると溶けてしまうため、炭で起した炎はその直前くらいの温度に調節。充分に熱した後、専用の手袋とゴーグルをはめた参加者の前に素材を差し出す小沢さん。3日と4日の開催2日間で訪れた人は60人以上。年齢層も小学生から年配までと幅広い。
 市原市内から訪れた親子は昨年から2度目の参加。大きめの廃材を力を込めて叩く母親は、「普段金槌を使う機会がないので振りおろす時、少し難しかったです。でも、熱い鉄を前にとても興奮しました。去年はスプーンを叩いたんですが、今もキーホルダーとして使っています」と楽しそうに話した。鉄という自然物への再生を経て、みんなが叩いた素材は今後どんな形に変化していくのか注目だ。

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