万華鏡何が見えるかな

 小宇宙とも宝石とも例えられる美しい世界を見せてくれる万華鏡。中に入れた素材が合わせ鏡に映り、繰り返されて無限に続く模様となる。玩具として気軽に遊べるものからアート作品として創作されるものまで、本体の形も素材も多種多様。外光によっても変化するきらめく宇宙は、覗くワクワク感とともに大人も子どもも魅了する。
 7月31日、戸田コミュニティセンター主催事業『夏休み工作教室 万華鏡を作る』が開かれ、小学生18名が参加した。講師は市内在住の陶芸家の葛信一郎さん。付き添いの保護者は子どもたちの周囲で見学した。
 あらかじめ机の上に用意されていたのは、3等分に折り目のついた細長いプラスチックミラー、15センチほどの紙パイプ、アクリルのオブジェクトケース。葛さんは「ミラーを直接触ったらあかんよ」と温かみのある大阪弁で注意し、ミラーを保護する薄いフィルムを「端からそっとはがしてな」と子どもたちに指示をした。現れた鏡面を内側にして、テープで固定。正三角柱になったミラーを紙パイプに差し込んだら、片方の端に丸い穴のあいた紙を貼り、もう片方の端に両面テープでアクリルのオブジェクトケースを固定する。
 「本体ができたら、まず、ケースに入れるおはじきを1個ね」と言われ、子どもたちは講師の前においてある素材を取りに行く。続いて順番にモール、ビーズ、スパンコールも選ぶ。「どれにしようかな」と光る素材を手にする子どもたちの目はキラキラ。試しにケースに入れ、「やっぱりこっち」と取り換える高学年の女の子や、「もっと違う色を入れたら」と熱心に注文を出す保護者もいて賑やか。完成前から、「見て、見て」と嬉しそうに万華鏡を差し出した1年生の男の子は「ヘンテコな生き物が動いているよ」とはしゃぐ。1年生の女の子はクマのスパンコールを入れたが、見えたのは「ウサギとチョウだった」そうだ。
 最後に千代紙を紙パイプに貼り、水玉や動物柄のカラフルなテープで巻いたら出来上がり。低学年の保護者が見かねて、手伝う場面もあったが、葛さんが「誰でも失敗せんように作れる工夫がしてある」と言うだけあって、全員が1時間半ほどで完成させた。4年生の男の子は「また作りたい」と話し、5年生の女の子は「思ったより簡単だった。みんなに見せたい」と笑顔。「携帯電話のカメラで中を撮影できる」と教えてもらった保護者は「きれい」と本体に光がはいるようにして撮影していた。
 「モノ作りの楽しさを伝えたい。今回は一般的な正三角形のミラーだったが、二等辺三角形や底辺のない三角形などを作ると違う世界が見えます」と話す葛さん。素材は入れ替えられるので、松葉や花びらなど自然にあるものも使えるそうだ。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…
  2. 【写真】教室の講師と子どもたち  JR浜野駅前と五井駅前でダンススタジオを経営する堀切徳彦さんは、ダンス仲間にはNALUの…
  3.  市原市不入の市原湖畔美術館にて、企画展『レイクサイドスペシフィック!─夏休みの美術館観察』が7月20日(土)に開幕する。同館は1995年竣…
  4. 【写真】長沼結子さん(中央)と信啓さん(右) 『ちょうなん西小カフェ』は、長生郡長南町の100年以上続いた小学校の廃校をリ…
  5.  沢沿いを歩いていたら、枯れ木にイヌセンボンタケがびっしりと出ていました。傘の大きさは1センチほどの小さなキノコです。イヌと名の付くものは人…
  6. 『道の駅グリーンファーム館山』は、館山市が掲げる地域振興策『食のまちづくり』の拠点施設として今年2月にオープン。温暖な気候と豊かな自然に恵…
  7.  睦沢町在住の風景写真家・清野彰さん写真展『自然の彩り&アートの世界』が、7月16日(火)~31日(水)、つるまい美術館(市原市鶴舞)にて開…
  8.  子育て中の悩みは尽きないものですが、漠然と考えている悩みでも、種類別にしてみると頭の整理ができて、少し楽になるかもしれません。まずは、悩み…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る