上総更級公園でノルディックウォーキング

何歳になっても歩ける身体づくりを目指して
ポールdeいちはら歩こう会

 スキーの歩き方をとりいれたノルディックウォーキングはもともとクロスカントリースキーの選手の夏季トレーニングとして行われていた。北欧で紹介されると、瞬く間に欧米で広がり、日本でも全国的にウォーキング愛好家の間で流行しはじめた。季節を問わず簡単に始められ、2本のポールを使って歩くので、下半身だけでなく腕、上半身の筋肉など全身を使うエクササイズになる。ポールのサポートで膝や腰に負荷をかけずに歩け、年齢や運動能力にかかわらず誰でも楽しめる。
 市原市でノルディックウォーキングを広めようと活動しているのは『ポールdeいちはら歩こう会』。毎月第1土曜日2時から上総更級公園芝生広場の一角でお試し体験会を開催している。参加費は300円(保険料、ポールレンタル代)、荒天中止。代表の秋葉寛子さんは「腕や背中、お尻の筋肉が鍛えられます。私の母は88歳になりますが、ポールの支えで歩きやすくなり、後ろに腕を振るので姿勢もよくなりました」とポールを使い歩く良さを話す。
 9月3日、晴天で残暑が厳しいにもかかわらず、続々と集まりだした参加者は、本誌や口コミなどで体験会を知った35名。うち初心者は16名である。早々に受付を済ませるとインストラクターにポールの長さや先端につくラバーの向きの調整方法を教わり、ポールと一体化したストラップを装着する。中には開始を待ち切れず、その場を歩き始める熱心な参加者もいた。
 全員で準備運動としてポールを使ったストレッチなどを行ったあと、インストラクターが数名つき、経験別に班に分かれた。初心者の班はまず、基本姿勢、歩行、坂道、階段の昇降時のポールの使用法などを練習する。「基本姿勢を意識して歩くと体の背面を使うので日常あまり使わない肩甲骨周辺、腕の後ろなどが筋肉痛になるかもしれませんよ」とインストラクター。参加者たちは「足とポールが一緒に出ちゃう」、「ただの杖だと思っていたけれど背筋がピンと伸びる」、「坂道や階段も楽に上り下りできる」と言いながら、インストラクターのあとに続く。経験者の班はインストラクターから「軽く握りましょう」など簡単なアドバイスを受け、修景池の周囲を歩いた。
 中高根の町会代表の男性らは「高齢者の多い地域なので健康のためにも、防犯パトロールにも取り入れたい」と初めて参加した。体験後は「町会に戻り報告し、ぜひ講習会を開催したい。指導者を派遣してほしい」とやる気満々であった。別の女性二人組は「楽しかった。もっと歩きたいから、次回は早く来たいね」と相談していた。また、毎回参加するランニングチームでは「フォームの矯正になり、レース終盤になっても体幹が強くなり効果てきめんだと実感する」とケガ予防や調整のためにこの会に参加するメンバーも増えているという。最後は整理運動のストレッチとして、全員で『ふるさと』を歌いながら『市原いいあんばい体操』をして終了した。
 同会は平成28年1月に発足。(公財)市原市体育協会、スポーツ行政関係者、公認スポーツ指導者、教員、介護や病院関係者、スポーツに関心のある市民に呼びかけ、3月にノルディックウォーキング指導者養成講習会を開き33名のインストラクターが誕生した。4月に『ポールdeさくらウォーキングin高滝湖』を開催、市で行われる春の『いきいきワンデーマーチ』や秋の『養老渓谷ファミリーハイキング』にも参加し、ノルディックウォーキングを広めている。ちはら台では今年、10数人のグループができ、毎週水曜日9時半からかずさの道を歩き、「市外へも遠征しようと張り切っている」という。近いうちに光風台を中心としたグループも活動を始める計画があるそうだ。
 会では「一人でも多くの人にポールを使ったウォーキングを体験してもらい、高齢になっても、自分の足で歩けるようになってもらいたい。そのために市内各地域のインストラクターが在住地域でノルディックウォーキングを広める活動をする予定。また、要請があればいつでも体験講習会を開催したい」と今後について考えている。「上総更級公園の体験会には買い物がてら、運動のしやすい靴で気軽に参加してください」とのこと。10月の第1土曜日は上総国府祭りで公園が使えないため、次回は10月8日土曜日開催。

問合せ 秋葉さん
TEL 090・9014・5775

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