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季節のスケッチ
- 2017/7/28
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俳画と文 松下佳紀
薔薇は身を守るために鋭い刺を備えている。可憐な花茨は刺など無いように見えるが細かい刺を持っている。ハリネズミやサボテンも刺がある。それは自然界に生きる彼らの必要不可欠な防御の仕組みなのだろう▼とは言え、私は薔薇の刺が必要以上に威嚇的、挑発的、敵意むき出しなのが不快でならない。それは誰もが望む平和な世界とは対極の姿を示し、当面する社会問題にも通じるからだ▼戦後七十年間、日本は戦争していない。それは尊く誇るべきことだが、昨今それを否定し、国を守るためには戦争も可とする勢力が数を増やしているのが心配だ。戦争は人類最大の悪業だ。私たちは何としても戦争だけはしないように努力しなければならない。