地球の辺境で見える風景とは

 12月28日(木)まで市原湖畔美術館で開催されている石川直樹展『この星の光の地図を写す』。石川直樹さんは世界をフィールドに冒険する写真家で、日本写真協会新人賞や講談社出版賞など受賞した他、著書も開高健ノンフィクション賞の『最後の冒険家』やヒマラヤの8千m峰に焦点を当てた写真集シリーズなど多数。
 同美術館では、展示室3つという広いスペースを使用して約260枚の写真を展示。企画担当の渡辺文菜さんは、「世界の辺境を冒険し写真に収めているので、普段見られない風景ばかりなのが魅力です。ぜひ直接ご覧ください」と話す。
 1997年から10年間にわたり訪れたアラスカ、カナダ、ノルウェーの北極圏で見た動物解体作法など生きるための技術。ニュージーランド北東に先住するマオリ族の聖地である原生林。岩絵に表れる、古代の人々の発想とその技法。石川さんの見た世界が凝縮された写真の他、世界第2の高峰で最も登ることが難しいとされるカラコルム山脈へアプローチした時の映像が音声と共に流れている一角も。
 神奈川県から訪れた男性は、「写真集も何冊か見たことがあるくらいのファンです。やっぱり男の憧れですね」と話しながら、ゆっくりと館内を見て回る。展示室には、『辺境』や『地図上の線』について石川さんの著作からの抜粋テキストも飾られていて、より世界観を広げてくれるようでオススメだ。

月曜休館(祝日の場合は翌火曜)。入場料一般800円、大学生とシニア600円。開館時間平日10~17時、土曜9時30分~19時、日祝9時30分~18時。
問合せ 市原湖畔美術館 
TEL 0436・98・1525

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1.  移住者の視点で、いすみ市と周辺の魅力的な場所をまとめたガイドブック『田舎歩き方・ 暮らし方♯1 千葉県いすみ市とその周辺2024』が4月2…
  2.  ティラノサウルス、トリケラトプス親子、ベロキラプトルなど、紀元前3000年前に存在した巨大な恐竜たちが千葉港に大集結。  リアルな恐竜ロ…
  3.  文学を愛する仲間たちが発刊する文学同人誌『槇』。46年前の1977年(昭和52年)に設立された『槇の会』が発行している。  同会は、『雪…
  4. 【写真】アブドゥルラーマン・アブダラ『最後の3人』(平三)  千葉県誕生150周年記念事業『百年後芸術祭~環境と欲望~内房…
  5.  市原湖畔美術館では、百年後芸術祭|内房総アートフェス|の一環として『ICHIHARA×ART×CONNECTIONS|交差する世界とわたし…
  6.  千葉県南房総市にある酪農のさとは日本酪農発祥の地で、江戸時代に八代将軍・徳川吉宗がインド産の白牛を飼育して、乳製品を作ったことで知られてい…
  7.  森や川に生息する動植物などを観察し、親子で自然を楽しみましょう!4月27日(土)、9月7日(土)、11月9日(土)の全3回に渡って行い、講…
  8.  いつの間にか春も盛り。寒いうちに庭木に寒肥(肥料)を与えておこうと思ったのに遅くなってしまいました。寒い時は庭仕事がどうしても億劫になって…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】アブドゥルラーマン・アブダラ『最後の3人』(平三)  千葉県誕生150周年記念事業『百年後芸術祭~環境と欲望~内房…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る