家系図・ファミリーヒストリーを創ろう

家系図を作る会(長生郡長生村)

 ここ数年、海外でブームになっていることや、テレビの人気ドキュメンタリー番組の影響もあってか、家族の歴史を遡って調べ家系図を作る人たちが増えてきているという。
 そうしたなか、今夏、長生村役場向かいにある末日聖徒イエス・キリスト教会で『家系図を作る会』が結成され、随時会員を募集している。結成メンバーは4人。皆、活動場所である教会に通う信者ではあるが、会のメンバーになるのに宗教の違いや無宗教などは問わない。宗教に関する勧誘等も一切しない。あくまで、家系図作り100年の実績をもつ教会のノウハウと教会が開発したアプリを利用するだけ。
 中学生以上であれば誰でもOK。見学も歓迎。会費無料。毎月第3日曜日午後1時30分から3時まで活動。持参するのは筆記用具と、あれば系図作りの参考になる戸籍謄本や日記などの資料も。
 活動内容は、まず、家系図作成の意義や系図資料の集め方・読み方、系図アプリの紹介や使用、系図情報の入力、系図以外の情報について指導を受ける。それから系図資料の判読、系図情報の入力、家系図の印刷と進めていく。教会では25年くらい前から家系図作りのクラスがあり、3カ月くらいかけて作り方をマスターして「卒業」する人がほとんどだとか。家系図の他に、家族やご先祖様の写真、動画、メモ、エピソード(音声または記録)などがあれば、ご先祖様を含む家族の歴史を綴ることもできる。会で利用するアプリは、これらの情報にも対応している。
 現在、同会で講師を務める長生郡一宮町在住の斉藤和雄さん(78)も、このクラスで学び指導するようになった。「私の場合、仏壇から出てきた古文書を元に、北海道まで出かけました。樺太の小川家に生まれ、斉藤家に養子に入りましたので、両家について調べてみました。すると、200年前、6代前まで遡ることができました。調べたことを10年前に小冊子にまとめ、親戚や知人に配りました」と話す。
 「30年前は手書きで系図表を作っていました。2000年に教会でソフトを使い、データ化しようと奨励があり、ファミリーリサーチというアプリを使うようになりました。私は、出身地の静岡県浜松市役所で戸籍謄本を入手し調べました。江戸末期頃まで遡れました。紙だと保管はできても黄ばんでしまう。その点、データなら良い状態で保存できます」と話すのは、同じく長生郡一宮町在住のメンバー、鈴木利和さん(65)。
 皆さん、家系図を作る魅力、良いと思われることについて次のように答えた。「自分の素性や先祖のことが明らかになり嬉しい」、「お盆や正月、葬儀など親戚の集まる場で、家系図を披露して喜ばれた」、「娘や孫と作成したことで良いコミュニケーションがとれた」、「調べに出かけるのが遠方なら旅行気分も味わえる」
 また、活動日に見学や体験をしに来た人たちは「情報を入力すれば家系図ができる。便利なコンピューターシステムに驚いた」、「家系図を完成させて母を喜ばせたい」、「高齢の母が元気なうちに、母が知っている先祖のことを色々聞いておきたい」などの感想を述べた。更によくいわれるのが「子孫に貴重な財産を残すことになる」、「家族や先祖との絆が強まる」、「先祖の供養になる」ということ。
 では、具体的に家系図作りに取り組む際、必要な系図資料とは戸籍謄本や日記以外に、どんなものがあるのだろう?斉藤さんは「親戚に詳しい人がいないか調べ、いたらその人に話を聞く。仏壇や位牌なども資料となるし、お寺、菩提寺の過去帳や墓石の戒名も貴重な資料となります。教育委員会文化課や図書館等で郷土資料を調べるのもいいでしょう。その上で、何か手がかりがありそうなら、現地に行く『系図旅行』を計画することです。他、インターネットで遠縁の人の名前と住所で検索を試したり、一般に販売されている書籍で、苗字から先祖を調べることもできます。もちろん、先祖の職業や定住していた場所が分かれば、これも貴重な資料となります」と答え、「他にも具体的なアドバイスを差し上げることができると思いますので、お気軽に参加してみてください」とも。
 今、ここに自分たちが在るのは何人もの人たちの存在があってこそ。そしてまた、次の世代につながっていく…そんな家族の歴史を「見える形にした」家系図作りのために、ご先祖様のルーツを辿る。しかし、年々、話を聞かせてくれるお年寄りが減少したり、墓じまいなどが増え、ご先祖様の歴史や足跡を調べるのが難しくなってきている。もうすぐ、お正月。家族や親戚が集まるこの機会に是非、年長者の方々にお話を聞いてみては。家系図作りの情報収集だけでなく、話が弾んで場も盛り上がるかもしれない。

問合せ 斉藤さん
TEL 090・3695・7968

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