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草木と廃品で里山を表現
- 2018/8/9
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5月4日から4日間、市原市南部で開催された『アートいちはら』。このイベントの会場のひとつである内田未来楽校で、「ワァ!なんだこれ~?」と、来場者の注目を集めたのが、武田眞幸さん(33)のサプライズ出店。
木造校舎の隣に停められた1・5トントラック。その荷台を舞台に展開された作品世界は、見る者のイマジネーションを刺激した。ヤマブキやナツハゼ、ミツバツツジなどの落葉樹をメインに植え込まれた荷台には、随所にゴミとしか見えないモノがレイアウトされている。
武田さんは「里山を表現しました。山歩きが好きで、昨年からボランティアで米沢(内田)の森の保全活動にも参加しています。里山を歩いていて感じるのは上を見るとキレイだけれど、足元にはゴミが多いということ。だから、この作品を見て、汚いとか面白いとか思ってくれたら。環境保護を啓発するのでなく、作品と接することでインスピレーションが湧いてきてもらえたらいいなと。市原市で普通に見られる風景です。少しばかり、チバニアンを意識しました。作品づくりに使った土も草木も壁も市原にあったものです。もちろん、捨てられた水筒やラジカセなどのゴミも」と語る。
今回の出店は、事務局長の小出和茂さんや『市原内田の森を考える会』代表の鶴岡清次さんに「出てみたら」と声をかけられてと嬉しそう。子どもから高齢者まで様々な人々が集う内田未来楽校。来場者の皆さんは武田さんの作品を真剣に見入ったり、作品づくりの意図を尋ねたりしていた。今後も機会があれば出店をしてみたいとのこと。
武田さんは生まれも育ちも市原市。東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科を卒業後、住友林業緑化株式会社に入社、庭の設計等の仕事に就いた。5年ほど働いたのち、「自分で庭造りをしたい」と、約10年、造園会社で修行した。そして、今年1月に独立し武田屋作庭店を設立。業務内容は、庭造りに関すること全般。地元市原はもとより、周辺地域などにも対応する。
武田さんのブログでは、市内各地で見かけた山野草などの植物が紹介されている。中には近年見つけることが稀になった草花も。それも「こんな所に?」という街なかで発見されたものもあり、見過ごしてしまいそうな存在に目をとめる優しさを感じる。
「自称、植木屋です。雑木の庭造りから、庭のお手入れ、里山の利用促進などを行っています。生き物の共生、環境向上を目指して活動しています」と武田さん。市原だけではないが、里山保全活動の若い担い手が不足している昨今、今後の活躍を期待したい。
問合せ 武田さん
TEL 090・3040・9046