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フランスの母の味をどうぞ
- 2019/1/18
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-アッシ パルマンティエ-
年代問わず親しまれる味『母の手料理』。国や地域によって様々にあるが、代々伝えられて来た料理には、かなり深い食文化があったりする。
昨年11月、姉崎公民館で行われた料理講座では、『フランスの母の味 アッシ・パルマンティエ』が紹介された。講師は市内在住の柳田珠紀さん。袖ケ浦市長浦でフレンチのガレット&クレープ店を開いている。「フランスのブルゴーニュで12年間暮らし、子育てをしつつ、ワインの仕事をしていました。そのため地域のマダムたちにもレシピを教えてもらえ、帰国後、店を持つことができました」とのこと。柳田さんの講座は、昨年のガレット作りに続き2回目。フランスの家庭料理のレシピだけでなく、食文化も学べると人気だ。
『アッシ・パルマンティエ』は、牛ひき肉とジャガイモを重ね焼きした料理。アッシはフランス語で刻んだものという意味。パルマンティエは人名で、18世紀後半、フランスにジャガイモを普及させた農学者のこと。フランスでは、この料理を食べない人はベジタリアンか非国民と言われるほど、皆に愛されているという。
カンタン調理で世界各地へ
ジャガイモがインカ帝国からスペインに伝わったのは16世紀。その後、やせた土地や寒い地域でも収穫できるとヨーロッパ全域に普及していくが、フランスでは栽培禁止の法律があるなどで、広まらなかった(ちなみに日本の長崎に伝来したのは1958年)。パルマンティエはルイ16世の頃、宮廷料理人にジャガイモ料理をアピールするなどし、家庭で簡単に作れるメニューも考案。長年の普及の努力で、ジャガイモ栽培と料理を、フランスに定着させることにつなげた。
アッシ・パルマンティエは、ポトフなどの肉の煮込み料理で、余った肉を利用し作られることが多いという。もともとフランスでは、ポトフはスープと具材を別々に食べている。ポトフを作るとき、あらかじめ肉を多めに入れておき、翌日、その肉を細かく刻んで、茹でて潰したジャガイモを重ね、チーズをかけて焼く。
この簡単さに、アッシ・パルマンティエは、ジャガイモと肉の料理として、世界各国で作られ、バリエーションも豊富にある。グラタン皿に用意しておけば、後は焼くだけなので、友人を招いたときなども重宝される。食事の前に菓子をつまみ、アルコールを飲むが、このときにオーブンで温めておき、食事のときにテーブルに出し、皆で食べて楽しむという。
今回の講座ではジャガイモを茹で、牛肉やタマネギを炒めるなど、最初から調理した。柳田さんは、「家庭料理なので、気軽に家にあるもので作ってください。アルミカップなど小さいポーションで作ったり、パンの上に乗せて食べても美味しいですよ」と勧めた。講座の参加者は、「食べやすく美味しい。日本風にしょう油をかけてみたい」「孫娘と一緒に作ってみたい」と好評だった。
(内田・米澤)
◆材料 タマネギ…1と1/2個、ニンニク…1かけ、 牛ひき肉(合挽き肉)…100g、赤ワイン…50ml、ジャガイモ…300g、バター…20g、生クリーム(牛乳でも豆乳でも)…500cc |
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