身近なものでお洒落に包む エコ・ラッピングの楽しさ伝えたい 包装作家Ⓡ 正林恵理子 さん【市原市】

 ノスタルジックな作業机に、ごく普通の封筒と輸入菓子の空き箱が置かれた。折ったり、切ったり、貼ったり…。このあと、どう変わるんだろう?とワクワクしながら撮影していると、わずかな時間で、お洒落な外国製のマッチのような包みに変わった。単色の細いマスキングテープが『側薬』(マッチを擦る部分)のようで面白い。机の脇には、包みを解くのがもったいないような、でも開けてみたくなるような、ハイセンスで可愛らしいラッピング作品の数々。よく見ると食品のパッケージやキッチンペーパーの芯、普通の紙皿や紙コップが使われていて、楽しいアイデアに脱帽する。NHKの番組や雑誌などにも取り上げられ、イベント講師としても活躍、複数の著書もある国分寺台在住の包装作家Ⓡ、正林恵理子さんの作品だ。
 「4歳の時、市原市に引っ越してきました。子どもの頃からハサミとノリを使って工作をするのが大好きで、よく封筒を作っていました」と振り返る。小学校では料理クラブ、中学校ではソフトボール部に在籍。高校では、ファーストフード、本屋、薬局、ガソリンスタンド、コンビニ…と、様々なアルバイトを経験した。「洋服や雑貨が好きだったので、高校を卒業したらスタイリストになりたかったのですが、両親のすすめで看護学校へ進学しました。実習が辛くて泣いたこともありました。看護師として3年間頑張って勤務したのですが、やはり自分には向いていないと思って辞めて、イギリスに留学しました」とのこと。ロンドンでの2年間で英語、料理、製菓を学び、帰国した後は母の助産院を手伝いたいと思い助産師学校を受験し、卒業後助産師として働いた。
 その一方、留学中に学んだ菓子づくりをもっと極めたいと、今度はビザ申請の年齢制限も迫る中、31歳で単身フランスへ渡る。パリの製菓学校と製菓店で修行を積み帰国。助産師として働きながら、月に1度、自宅でカフェを開くようになる。「友人を招いて趣味で開いていました。自作の焼き菓子を包むのにコスト軽減を考えていた時、パリのお店で見かけた、さりげないけど素敵なラッピングのことを思い出し、身近にあるものを使って、お金をかけずに可愛く包むラッピングを考えるようになりました」と話す。さらに、カフェの関係者がある出版社に、正林さんの焼き菓子を手土産に持っていった時、ラッピングが編集者の目にとまり、やがてエコ・ラッピングの著書を出版することに。優しく穏やかに話す正林さんだが、単身異国へ渡る度胸、夢を追う情熱、人柄、チャンスを逃さない努力等が相乗して、これをきっかけに包装作家Ⓡの活動を本格的に始めることとなる。

日常にたくさんある『素敵』

   正林さんのラッピングの特長を尋ねると「どこの家にもある素材を使って、普段の見慣れた形から少し姿を変えることで、イメージを新鮮な印象に変えて可愛らしく見せています。アイデアのヒントは、パリで暮らしていた時に見た何気ない日常の包みを思い出したり、日本の可愛い雑貨屋さん、デパ地下で見かけた和洋菓子店の包みなど、いろいろな所から得ています」パッと閃く時もあれば、にらめっこのように素材を長時間ずっと見つめることもあるという。「素材の形や材質、良いところや特徴を自分なりに捉えて、それをどうやって活かしたら可愛くなるのかなって考えています」と言葉を続ける。まだ中身を見ていないのに、包みを渡しただけで喜ばれたり、開けても包み直して飾ってくれたり、ラッピングが再利用されたり、包みが可愛いから解きたくないって言われたり…そんな瞬間が、とても嬉しいと微笑む。小学校低学年の娘さんも一緒にラッピングを楽しんでいるそうだ。
 「何かに使えるかも…と、いつもとちがう視点で身近なものを見てみると、意外な活用法だったり、利用価値など新しい発見があります。自分の身の周りのものに興味を持って、手間をかけて綺麗にしたり、可愛くしたりしていくと毎日が楽しく、生活に豊かさを感じるようになると思います」と語る正林さん。今後の抱負は、エコ・ラッピングをたくさんの方々に知ってもらいたい、楽しさを体験してほしいとの思いから、市原市にある大好きな美術館『市原湖畔美術館』で作品展とワークショップをやりたいとのこと。9月21日に行われる「いちはら環境フェスタ」(いちはら環境フェスタ実行委員会・市原市主催)では、エコ・ラッピング教室(無料・事前申込不要・当日各回先着20名×3回)の講師も務める。エコ・ラッピングに興味を持たれた方は、ぜひ、お出かけを!

問合せ:正林さん 
フェイスブック https://www.face book.com/エコラッピング-1388066231457377/
インスタグラム https://www.instagram.com/e_shobayashi/?hl=ja
・エコ・ラッピング教室に関しては 市原市環境部クリーン推進課
TEL.0436・23・9053


・(写真:制作中1~3)取材時に、その場で作ってくれたもの。変哲のない封筒があっという間にオシャレに生まれ変わる。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  年数回、様々な分野の講師が招かれる、袖ケ浦市教育委員会主催『市民三学大学講座』。今年2月には、第38期第4回が生涯学習推進大会の記念講演会…
  2.  緊急事態宣言が解除され、詐欺の犯人など動きが活発になると予想されています。事例を参照に、注意していきましょう。 ◇警察官を騙る ・XX…
  3.  トンボはどんな色?と尋ねると、「アカトンボ」などに歌われるような赤、オニヤンマのような黒と黄色の縞模様、シオカラトンボの粉を帯びた灰青色、…
  4.  私は水には何よりもこだわりを持っています。東日本大震災以前は、十数本の大きな水の容器を車に積み込み、実家のある福島まで月に一度、山の奥深く…
  5.  子育てのことわざで、「大きいやかんは沸きが遅い」というものがあります。小さいやかんでは、すぐにお湯が沸きますが、実は大した量ではありません…
  6.  長柄町との境・市原市金剛地にあるブルーベリーの里・ふるさとファーム。5面の畑で180アール・3000株以上が植えられた、県内最大級のブルー…
  7.  大月昭和(あきかず)さん(79)・ユキさん夫妻(74)は、揃って日本絵手紙協会公認の絵手紙講師を務めている。昭和さんはよみうりカルチャーセ…
  8.  長南町の山あい、山形俊男さん(77)の自宅には、1枚A4サイズにプリントされ、地域ごとにまとめられた140冊の写真ファイルがある。タイトル…
  9.  近年の集中豪雨や大型台風などで起こる風水害。これからのシーズンは特に発生しやすくなる。また、新型コロナウイルス感染症が収束しない中でも、災…

ピックアップ記事

  1.  緊急事態宣言が解除され、詐欺の犯人など動きが活発になると予想されています。事例を参照に、注意していきましょう。 ◇警察官を騙る ・XX…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る