シティライフ発行1500号 子育て支援特集【市原市】

 いつもご愛読、ありがとうございます。地域情報紙『シティライフ市原版』は、おかげさまで今号で1500号の発行を迎えることができました。これも日頃から読者の皆様、スポンサーの皆様の支えがあってのことと、心よりお礼申し上げます。 市原版は今年で創刊36年、長生・山武・夷隅エリアに発行する外房版は29年。それぞれ地域に密着した情報をお届けすることで、皆様のお役に立てればと願って参りました。今号は特集として『子育て支援』をピックアップいたしました。1・2ページには小出譲治市原市長へのインタビュー、3ページからはボランティアの活動、市原市の新しい支援体制などを取り上げました。今後も、「よりよい地域を目指して」を合い言葉に、スタッフ一同頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

「子育てするなら市原市」 若い世代に選んでもらえる施策展開を
小出譲治市原市長



─市で行っている子育て支援策の特徴をお教えください。

「市原市では、妊娠・出産・子育てを一貫して支援するサービス提供を目指し、順次整備をしてきました。中心となっているのが『子育てネウボラセンター』です。『ネウボラ』はアドバイスの場を意味するフィンランド語で、相談や各種事業を行っています。この10月1日から始まったのは『産婦健康診査の費用助成』。医師、助産師、保健師等の専門職により、出産後のお母さんの心身の回復や産後うつの予防をはかるものです。このサービスのスタートにより、3年前に創設した『いちはら版ネウボラ』のすべてのメニューが揃いました。人口減少時代に入り、未来の市政にも関わる問題として、市の人口流出や減少は大きな課題と捉えています。若い世代に安心して子育てをしてもらえるようにすることが、最大の使命だと思っていますので、子育て・教育の問題には、しっかり対応していけるよう、大きな予算をつけて計画・実行しています」


─11月1日からは『子ども家庭総合支援拠点』が動き出していますね。

「そうです。こちらは、家庭児童相談室に設置しています。拠点設置は国が求める子どもの虐待防止の強化で、2022年までに全国の各市町村が設置することを目標とし、努力義務とされています。市では早急な対応が図れるようにと、今年度、先駆けてスタートさせました。これまでの家庭児童相談室は8名体制で、やはり多くの相談を受けると対応が遅くなることもありましたが、現在は総員14名と体制を強化しました。増員した相談員は6名で、社会福祉士2名、精神保健福祉士1名、教員免許所持者1名、心理学科卒業者2名と、専門性を活かした支援を行います。さらに子育て支援事業は、以前始めたサービスの見直しにも入っています。社会情勢の大きな変遷に常に合わせ、より精度の高いものにしなければなりません。一度決めたから良いというのではなく、進化させながら実行していく施策が求められている。これは全ての市の事業に当てはまります」


─どのように見直しを行っているのですか。

「毎年度、計画について成果を検証し、実施事業についてどういう結果になっているか把握しています。翌年度に向かってどう活かすか検討することが、市政の基本計画である『市原市総合計画』で決められています。子育て支援事業などの計画は、3年のスパンですが、その間いじらないということではなく、必要なものは、順次期間内でも変えています。市民のニーズに対し、たえずブラッシュアップしていかなければなりませんし、子育て関連は、妊娠・出産からすべて切れ目なく繋がっているものです。一貫して様々なサービスが受けられるように、市もそれに応じた支援を行わなければなりません。その積み重ねが大事だと思っています」


─市民の声を常に反映していくということですね。

「じつは、市の総合計画策定についても、平成27年から『いちはら未来会議』を行って、多くの市民の声を活かしました。こうした対話は、常に続けていかないと、市民本位の施策になりません。私としては、市民との対話が市政の基本となる行動原理と考えており、各部署でもできる限りその機会を作っています。私が直接対話させていただく機会として、未来創生ミーティングがあります。市内11ブロックの町会長会議に毎年出席して、519ある町会の代表者と様々な地域の課題を議論しています。『対話と連携』『もっと前へ』の2つをキーワードとして、市長の2期目を務めさせていただいていますので、様々な課題の解決に向けて前へ進めるという意識です。先も見越してさらに対応できないかと、職員皆が理解し、一丸となって、あらゆる施策を見直しています」


─さらに、新しい子育て支援体制も動き出していますか?

「令和2年度からの『(仮称)市原市子ども未来プラン』は、5カ年計画の総合的な子育ての施策で、現在策定中です。今までやってきたことがすべてこのプランの中に入るように、また、若いお母さんたちにワークショップなどに参加していただいて、率直な意見を聞き、調査内容を折り込んでいく方法で作っています。これからは特に若い世代が重要です。すでに市外に流出している世代に、まちづくりも含め、どんなことが支援として必要とされているか聞く会議もしたいですね。市原市に住んでもらうためのニーズは、市内で考えるだけでは実効性のあるものにならないと思っていますので、ターゲットを絞り当事者の生の声を聞いて、意見交換するのが重要と考えています」


─今回の台風による被害は大変でした。市は防災をどう考えますか。

「今まで県外で市原をアピールするときは、『温暖で災害のない街』としてきましたが、これはもう言えないですね。しかし、同時に相当な課題が実際に見えたという現状もあります。解決のために重点的に対応して、『災害が起きても安心なまち』という体制を作っていかなければなりません。今はどこがどんな災害に巻込まれるか分からない時代です。今回の経験をどう活かし、安全対策・防災対策を行っていくか。市では当然、危機管理課を中心にやっていくわけですが、『災害に強いまちづくり』という視点が何より必要です」


─避難勧告や避難所の設置も早めに動いていますね。

「安全確保を第一にと考えて、早急に避難勧告を出すようにしています。発令が遅れて人命に関わる事態になるよりも、空振りを恐れず、何も起きないほうがいいと指示しています。また、今回の台風15号で分かったのが、粉ミルクの備蓄の必要性です。これまでは大きな災害で、一般的な避難者が3日間避難所を使うという想定でした。今後は女性、乳幼児、高齢者が必要なものも揃えていかなければなりません。開設した指定避難所が足りなくなるという状況も初めてでした。15号・19号のような大きな災害では、今まで足りるであろうと思っていた避難所が不足する。周辺の学校施設も早期に受け入れるよう変更しましたが、今後も同様のことが起こると考えて、地域防災計画の強化・見直しをしていきます。さらに、歯科医師会の先生方からは、避難が長引いた場合は口腔ケアが大事だとの話も聞いています。ここをケアしていかないと、高齢者や子どもたちの病の発症の要因になると。その対策も必要です」


─最後にメッセージをお願いします。

「これからの市原の発展のためには、子育て世代の人たちに、市原を選んでもらうことが大命題だと思っています。かなり重層的に施策展開をしていかなければならない。ハード面もソフト面も整えていかなければならないと。『子育てするなら市原市』と選んでいただけるような施策を総合的に展開していきますので、ぜひ市民の皆様の声をお聞かせいただければと思います」

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