ふるさとビジター館 いちはら自然探訪

トラツグミ

 幾種類かのツグミの仲間が冬鳥として房総丘陵を訪れる。見通しの良い草地や田んぼではツグミ、日差しが差し込む明るい林ではアカハラ、少し暗い林ではシロハラ、そして、鬱蒼とした林や竹林では、トラツグミが生息する。
 トラツグミはその名の通り、黄色地に黒い斑点があり、縞々のトラ模様。大きさは30センチ。ツグミより一回り大きく、目が黒く、クリっとしている。ツグミの仲間に共通であるが、トラツグミも地面に降り、落ち葉をくちばしでひっくり返して歩き回り、ミミズや昆虫をとらえる。警戒心が強く、なかなか目にすることはできないが、林縁で採餌の場面に出会うことがある。ただ、模様が保護色で見つけにくい。
 夏季は山地や北方に移動し、夜通し「フィーーーン」と鳴く。この声が不気味に聞こえるのか、古代から伝説の怪物「ヌエ」の声と恐れられていたようで、古事記や日本書紀にも紹介されている。日本書記での源頼政の怪物退治はよく知られている。実際には、怪物ではなく、可愛らしい野鳥であるのだが…。また、この声は、大河ドラマの夜の場面の背景で流れていることがある。聞きようには悲しい声、寂しい声に響くせいであろうか、効果音として使われるようだ。房総丘陵では、なかなか聞くことができないのは残念である。
 この季節、散歩して、森の方から「ガサガサ」音がしたら、しばらく待ってみよう。ひょっこりとトラツグミが顔を出すかもしれない。
(ナチュラリストネット/岡嘉弘)

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  いつもの房総丘陵の奥で、シイ属の朽木に五百円玉くらいの変わったキノコの幼菌を発見!一カ月ほど経つと表皮が破れ、中からタールのようなテラテラ…
  2.  およそ20年もの間、秋から冬の気温の低い時期にかけて、毎年一年分の手作りベーコンを作ってきました。肉の表面に塩、胡椒、ハーブ類を擦り付け、…
  3.  8月28日(日)まで、千葉市中央区にある千葉市科学館では『科学捜査展season3~真実の相棒~』が開催されている。ミステリーは、小説やド…
  4.  5月24日(火)、五井公民館で『房総太巻き寿司教室』が開催された。主催は市原市ボランティア連絡協議会(以下V連協・鈴木幹夫会長)のFF部。…
  5.  周囲に迷惑をかけず人生を終わらすための『終活』。身の回りの品や資産の整理などの準備を行い、人生のセカンドステージをより良く過ごすためにライ…
  6.  人間誰しも間違いや失敗は起こします。子どもなら尚更です。子どもが間違いや失敗した後に、周りの大人がどのような対応をするかで、その子の考え方…
  7.  茂原市在住・黛葉(まゆずみよう)さんが初めて本を出版しました。飼っていた2匹の猫、マミ&モモのエピソードを抜粋した体験記と、モモのファンタ…
  8.  初夏になると近所にある水路の斜面一画に、藤の花のような紫のグラデーションがきれいな、ナヨクサフジの花が咲き誇ります。  ナヨクサフジは、…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  8月28日(日)まで、千葉市中央区にある千葉市科学館では『科学捜査展season3~真実の相棒~』が開催されている。ミステリーは、小説やド…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る