復興への道のりは、 はじまっている 『がんばろう市原 がんばろう房総』【市原市】

11月23日(土)、千葉市中央区のそごう千葉店で開催された『市原市・房総 災害復興フェア』。9月、10月に千葉県を襲った台風15号や暴風雨は多くの県民に甚大な被害を与えた。同イベントは市原市主催のもと、そごう千葉店と市原市文化団体連合会の協力で行われ、千産千消(ちさんちしょう・地域の物産を地域で消費するという意味の地産地消という言葉に千葉の『千』をかけた造語)を推進して復興を支援するため、市原市内の名産のみならず県内のスイーツや加工品を販売した。

美味しいがいっぱい

会場には市原市農業協同組合の大根や自然薯、県立市原高校の生徒が栽培したシクラメンやパンジー、市原市企業組合情熱市原ワンハートが製造したいちはらの梨ゼリー、市原市杉山ジャム工房の焼き菓子などが並ぶ。そして、特に被害の大きかった富津市からは見波亭のバームクーヘンや、南房総市で栽培された花々が販売用カートを彩った。また、千葉を元気にするステージと称して、市原市鼓友会(こゆうかい)と吟詠剣詩舞連盟によるステージが2回行われ、行きかう人々を魅了した。
 市原市経済部商工業振興課の課長 黒須紀男さんは、「度重なる災害は、農業に留まることなく被害が多大ですが、様々な人が協力し合って頑張っていることを多くの人に知ってもらうことが必要です。市原市内では、ここまで絶えず人が行きかう場所はないので、とても貴重な機会をいただきました」と、話した。復興にあたり、市原市では『がんばろう市原・がんばろう房総』の文字の入ったロゴマークを使用。灯台がある海辺のシルエットが、赤い色によく映えている。「市民の方のご協力で、被災された方にフォーカスをあてたパネルを制作したので、今回展示物として持参しました。市原市の美しい風景を題材にした絵ハガキも販売しているので市原市にもっと親しみをもってもらい、来年の春に開催するアート×ミックスに繋げていけたら」と、同市職員の杉山達典さんは展望を語った。
 そのパネルに登場している一人が、市原市内で有機野菜とはちみつの栽培をする株式会社ワンドロップファームの代表、豊増洋右(とよますようすけ)さん。「氾濫した村田川の近くに倉庫があるので、停電した薄暗い中、果物がダメになってしまう前にひたすらジャムを煮ていました。野菜は、また植えればいい。自然と生きている以上、仕方がない部分もあります。とはいえ、今回の災害は予想をはるかに超えていました。雨が続いたので、片付けようと思っても、はかどっていないですね」と、現状を訴えた。また、富津市の土産物ショップ『ザ・フィッシュ』内の店舗である見波亭の川又由衣さんも、「1カ月の休業が必要でした。海の波風でベタベタになった建物内の掃除に始まり、食品は廃棄しました。12月26日までクラウドファウンディングで『鋸山復興プロジェクト』を行っています。目標金額は300万で今は半分ほど」と話していた取材時。その後、プロジェクトは見事成功した。

県民全体で復興に目を

今回のイベントに尽力したのは、華道家の関本清人さん。市原市文化団体連合会の会長を務め、市原市とそごう千葉店との架け橋になった。また、市場に出回らなくなった南房総の花々も調達しており、「行政の支援は必須。花は心を穏やかにしてくれるし、とても綺麗に咲いています。少しでも助けになれていたら嬉しいです」と、微笑んだ。バラやカーネーション、トルコキキョウなど豊富な種類と明るい色合いに、通行人の多くが足を止めていた。人々の関心の高さは、そごう千葉店の担当者である内田晋さんも大きく頷く。「ほとんどのイベントは2カ月前から準備をしますが、今回はお話があってから実施日までに2週間ほどでした。迅速に行うことが大事という判断でしたが、良かったと思います。市原市と書かれた旗を見て足を止める方もいます。ステージへの外部からの問い合わせも多くありました」。
 そして、ステージで演技をした『市原鼓友会』の代表 阿部忠昭さんは、「会は市内で活動する3つの太鼓の団体でできていて全体で70名ほど。市内を盛り上げようと平成24年に結成しましたが、すぐに東日本大震災が発生したので、以前より復興イベントなどに参加してきました」と、話す。太鼓は原始の音といわれ、母親の胎動とリズムが同じなので人々に心地良く感じるのだとか。ステージが始まると、あっという間に人だかりができるのが印象的だった。
千葉市在住の女性からは、「こうして身近な場所で復興の手助けができると思うと、同じ千葉県民としても絆が深まる気がします」、「親戚が市原市なので、とても心配しました。これからは県全体で災害に力をいれないといけないですね」などの感想が聞こえた。復興プロジェクトは、これからも県内の至る場所で続いていくことだろう。

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