焼き物、日本茶と共に 季節の和菓子を楽しんで 陶芸家 福島 みどりさん【千葉市】

千葉市緑区在住の福島みどりさんが工房『翠嵐窯(すいらんがま)』を構えて25年以上が経つ。あすみが丘の工房で陶芸教室を営むほか、同工房および大網白里市、いすみ市で和菓子作りとお茶を楽しむ会『福翠』を開催し、陶器とお茶でゆっくりと丁寧に過ごす時間の提案をしている。日本茶好きの福島さんは、2014年に日本茶インストラクター資格を取得。また、千葉県や京都府にある老舗和菓子店が開催する教室に参加し、あんこ作りの技術を基礎から習得している。

陶芸家への道のり

 東京都出身の福島さんが陶芸を始めたのは20歳の頃。明治大学文学部で美術史を学びながら、焼き物は世田谷区の松原工房に通ったり、栃木県益子市に遊びに行ったりして趣味として楽しんでいたとか。「卒業論文も焼き物にかけて『古代における窯業生産及びその工人たち』を論じた。元気であれば一生続けられる手仕事を探して焼き物に辿りつき、次第に器そのものへの興味よりも、自分の中にある想いを形にしたいと思うようになったんです」と、振り返る福島さん。大学卒業後は通っていた陶芸教室のスタッフとして7年間働いた。「2年に1回新宿の紀伊国屋で開催される展覧会に向けて、教室仕事の合間で造形的な作品を作っていた」と言う。
その後、出産を機に陶芸教室を退職して一時的に作陶から離れたものの、長男が5歳の時に茨城県笠間市で独立した。「当時は東京に住んでいました。東京で形を作り、笠間市の工房へ車で運んで窯焚きをしました。平成3年に自然豊か、かつ夫の通勤範囲である千葉市緑区に引っ越してきたんですが、4人の子どもたちを連れて車で笠間市に行っていた」というから驚きだ。

「あすみが丘に『翠嵐窯』を構え、一番下の子どもが小学校に上がってからは、夢中で作陶しました。教室運営の他、年に3~4回の展覧会を開いた40代を経て『暮らしを楽しむ器つくり』を大切にするようになったんです。そして、自分で作った器で家族と元気に食事を楽しむ、というだけではなく、みなさんにも日本茶を陶器で飲んでほっとした時間を作ってもらいたいと思うようになったんです」。

大切な3本柱

 人に伝える為には自分がよく知るべきだと取得した日本茶インストラクター。お茶の美味しい淹れ方、生産や製造方法、成分について勉強した。「ペットボトルの緑茶の普及や急須を知らない子どもの増加に、少し心配な気持ちが湧きました。今は、お茶を楽しむゆとりのある時間を過ごす大切さを伝えています。核家族化が進む現代の中で、夫婦共働きで忙しい朝や全てを終えた夜の時間、など現代人の生活時間に合わせたお茶の楽しみ、急須の使い方をおすすめしているんです。そんな私の急須は簡単な形を求めています。それは茶葉が詰まって汚れることが好きじゃないから」と、語る福島さんの工房には様々な釉薬が並ぶ。「木や草の成分から発色する灰釉(はいゆう)が好きなので、松や栗、樫の灰で釉薬を作っています。天然灰を使っている教室は珍しいかと。今一番好きなのは常滑のおぼろ土に白化粧をほどこし、マット釉薬をかけ還元で焼いたものかな」と、微笑んだ。
 教室には、通っている生徒さんたちの作品も。20年以上通っている方もいるそうで、指導方針は「やりたいことは、やってみれば?」だと言う。陶芸を45年続けている福島さんだが、自身も学び続けている。「陶芸は奥が深く、私は間口の一つ。本では見たことあるけれど、筒描きの技法であるイッチンの絞り出しを実際見せていただいて、今更納得することもあります。だから生徒さんも私が教えられなければ、他の先生に習ってきてもOK!」という姿勢。福島さんから感じられる大らかさは、「焼き物も人生も思い通りにいかないことがいっぱいあります。失敗は成功の元。今はダメでも、この先々で良い風に変わっていったらいいな」という考え方からきているのかもしれない。
陶器と日本茶、和菓子の3セットを味わい楽しむ時間を、福島さんと過ごしてみてはいかが。『翠嵐窯』の見学や体験、入会は随時募集中。和菓子作りとお茶を楽しむ会『福翠』は水曜日に開催。詳細は問合せを。

問合せ: 福島さん
TEL.090・2144・9455
http://suirangama.com/
mail:suirangama@gmail.com

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