教え子たちの『日本一』に歓喜・奮闘するスポーツディレクター ~一般社団法人 菜の花AC理事長 須田和人さん~【市原市】

 市原市在住、須田和人さんのスポーツ指導者としての実績が素晴らしい。市内の高校陸上競技部顧問として15年連続、計62種目、延べ128名をインターハイに輩出。優勝3回、入賞19回という成果を収めた。転職後は、オリンピック選手・プロ選手のトレーニングやコーチングに携わる。昨年秋には『一般社団法人菜の花AC(アスレチッククラブ)』を設立し、市原市を主な練習拠点とする陸上競技(短距離・ハードル・走幅跳)の教室を発足(弊紙2021年2月27日号に関連記事)。地域のスポーツ振興に日々奮闘する胸中を聞いた。

指導者としてのあゆみ

併走しながら子どもたちを指導する須田さん(右端)

 須田さんは中学から陸上競技に取り組み、東海大学体育学部を卒業し、同大学院体育学研究科を修了。教職に就いた高校の陸上競技部で多くの生徒をインターハイへ送り出し、平成14年度、日本陸上競技連盟より、実績のある指導者の中から特に功労のあった者に授与される平沼亮三記念章を受賞した。「生意気ですみませんが、陸上競技と教職を続けてきたことで、剛健な身体に忍耐力、仲間の統率力、目標に向かって牽引するリーダーシップが備わったと思っています」と話し、躍動と情熱をもって活動にあたるエネルギッシュな性格だと自己分析する。
 平成18年、スポーツトレーニング関連の会社に転職。オリンピック選手やプロ選手、日本を代表する実業団や大学・高校のスポーツチームのトレーニングコーチやプログラミングなどの職務を重ね、世界選手権、アジア選手権にも日本代表選手を送り出した。指導にあたっての心がけは「意見や気持ちを理解して、思いやりと公平な目線を持って接すること。最先端のトレーニングの知識や処方を探求しながら実践してきました」と驕らず真摯に話す。
 専門は、運動処方(トレーニングプログラム・コンディショニング)、スポーツバイオメカニクス(陸上競技の動作・人間の動きの仕組み)、コーチ学、スポーツ社会学(現代スポーツが求める指導者の在り方)等で、著書『野球体操』、『もっとスゴい野球体操~野球筋養成プログラム~』を、ベースボールマガジン社から出版した。現在は桐蔭横浜大学の講師として、スポーツ関連の授業を担当している。「学生たちが、著しい進化を続けるスポーツ社会に対応できるよう、様々な知識やテクニカルを伝えています」とのこと。

出身地の県民総合スポーツ大会・走幅跳びで1位に

 一方、『合同会社ランパス』を起業し、トレーニング指導、講習会等のスポーツ関連事業も展開。日本スポーツ協会、日本野球連盟、高体連等が主催する講習会の講師を担当する機会も多いそうだ。昨年10月には『一般社団法人菜の花AC』を設立し、千葉県を中心とした地域におけるスポーツ・教育の普及・振興・強化、ならびに健康づくり活動の支援事業をスタートさせ、現在に至る。
 走幅跳で国体へ3度出場し、今も全日本マスターズの走幅跳で入賞するなど、走り続ける須田さん。趣味は家庭菜園と読書。家を建てる際、設計時から確保した菜園スペースには、季節ごとの植物や何種類もの野菜がしっかりと育っている。陸上を始めた時から毎日欠かさず書き続けている練習日記は、常に青い表紙の大学ノートで何十冊にも及ぶ。本棚には整然と、中学から毎号愛読しているスポーツ雑誌類の大量のバックナンバーや書籍の数々が並び、懸命に駆けてきた誠実で熱い陸上人生を物語っているかのようだ。
 家庭では家族思いで親孝行。「一人暮らしをしている大学生の息子も走幅跳をしています。自分の練習の動画を送ってきた時はアドバイスもする…嬉しい時間です。高校2年生の時に全国9位となり、私の高校の時の記録は、あっさり破られました。いつか一緒に同じ大会に出てみたいです。妻は長年介護施設で働いています。私が陸上ばかりで家庭を顧みなかった時期など、どんな時も料理を作ってくれて…料理上手なんです。家庭を一身で守ってくれていたこと、今になってわかります。自分のことより人の笑顔を求めて社会で働き尽くしたいようなので、いつか介護で助け合う歳になるまで、今はお互い好きな仕事を極めていようかなと」。故郷は埼玉県飯能市。86歳の母のため、毎週帰省して食事を作っている。「煮物、揚げ物、何でもできますよ。管理栄養士の母はいつも、まあまあだねって、からかい半分で褒めてくれます」と苦笑いをする。

問合せ:菜の花ACホームページ

 自称メモ魔。毎日、新聞を2紙読み、書き留めた言葉を引用して菜の花ACのHPの文案を練るひとときが至福の時間だという。「HPをぜひ見てください。かつての教え子で素晴らしい競技実績を持つスタッフが3人の育児もしながら、私の文章や思いを構成してくれています」と誇らしげだ。即日更新される活動報告には、子どもたちの生き生きとした練習風景等も紹介されている。
「ただ走るだけの競技を子どもたちが楽しんでくれる。できなかったことが、できるようになった時に見せる満面の無垢な笑顔が、喜ぶ姿が、飽きずに観てくれる親御さんたちが、もう最高です!これから先も、競技選手やスポーツ指導者の発掘・育成に力を注いでいきたいです」と力強く語った。

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