木々に囲まれた家で暮らしたい、理想の庭を作りたい、そんな思いで長い間ずっと温めてきた自身の夢、『森の中の家』に住まいを移してから今年の9月で2年になろうとしています。木の伐採と家を建てる以外はできるだけ自分の力でやろうと誓い、切った幹も枝も撤去せずにそのまま残してもらい、それを細かくして薪を作り、一輪車で自作の薪棚まで何度も往復しながら積み上げていきました。郵便受けや駐車場、庭の階段なども廃材や石を利用してすべて手作業。スコップを使って地面を掘り返しながら庭全体の土を入れ替え、ご近所や知り合いの庭から植物の枝を戴いてきて挿木で増やし、芝生の種を撒くために地面の小石を一つ一つ取り除いたり、それぞれの作業にかなりの労働と時間を費やしてきました。故にそれが完成した時は感慨もひとしおです。
 以前、英国のガーデニングをテーマにした映画のなかで、「最近はあまりにも人工的な庭が多すぎます。きらびやかな草花ばかりを使うのではなく、身近な至る所に生えている雑草や木々を使ってもきっと素晴らしい庭ができるはず」という言葉が心の中に響いています。お金をかけさえすれば素敵な庭が手に入れられると思いがちですが、決してそんな事はありません。どんなに小さなスペースの庭でも、あるいはベランダしかなくても素敵な自分の庭は作れるのです。「もう歳だから」と諦める必要もありません。自分のやれる範囲で思い通りの庭作りを楽しめば良いのですから。
 庭はその家の顔とも言える存在だと思います。庭を見ればその家の持ち主が一体どんな人なのか、どの様な生活をしているのか垣間見れる様な気がします。世界に一つだけの庭は完成まであと何年も何十年も、ひょっとしたら終わりがないかも知れません。誰もが心の中に自分の思い描いた庭があるはずです。庭はずっと私達の側にいてくれる、人生と共に歩むパートナーの様な存在なのです。

長谷川良二。長柄町在住。ハーブコーディネーター、ガーデニングコーディネーター、歯科医師。市原を中心に公民館でのハーブの指導などをしながら自然栽培で野菜を育て、養鶏、養蜂にもトライ中。

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