ふるさとビジター館 いちはら自然探訪 ~アカマツ(赤松)~

 いつも通る雑木林の奥に、輝いているかのように際立つ赤褐色の木を見つけた。マツ科マツ属の常緑高木、アカマツ(赤松)であった。
 大きなものは高さ25m、太さ1.2m。樹皮が赤いことからアカマツと名付けられた。別名のメマツ(雌松)は、樹皮が黒いクロマツ(黒松)の別名オマツ(雄松)に比べて、葉がやわらかいから。枝先の葉は2葉性の針状、基部には鱗片葉がつく。花は雄雌同株で新枝の基部に淡黄色の雄花が多数つき、先端に雌花がつく。球果の松ぼっくりは翌年秋に熟すと種鱗が開いて種子を散らす。北海道から九州まで分布するも沖縄には見られない。
 針状の松葉が2個ずつ付くのは二葉松、3個ずつは三葉松、5個は五葉松とも分けられる。なのでアカマツは二葉松。クロマツは海岸近くに多く、アカマツは山間部にみられるという。
 冬になると里山でいろいろな木の実を拾い集め、リース作りを楽しむ方がいる。下の方を見るばかりではなく、たまには樹皮の色つやも眺めてみるのもいい。葉が落ちた雑木林は思わぬ光景に出会うチャンスでもある。里山散策が楽しめるのも自然が豊かな証。いつまでも大切に残していきたい。
(ナチュラリストネット/野坂伸一郎)

ナチュラリストネット/自然を愛する仲間の集まりです。豊かな自然環境をいつまでも永く残したいと活動しています。 Tel.080・5183・9684(野坂)

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】アブドゥルラーマン・アブダラ『最後の3人』(平三)  千葉県誕生150周年記念事業『百年後芸術祭~環境と欲望~内房…
  2.  市原湖畔美術館では、百年後芸術祭|内房総アートフェス|の一環として『ICHIHARA×ART×CONNECTIONS|交差する世界とわたし…
  3.  千葉県南房総市にある酪農のさとは日本酪農発祥の地で、江戸時代に八代将軍・徳川吉宗がインド産の白牛を飼育して、乳製品を作ったことで知られてい…
  4.  森や川に生息する動植物などを観察し、親子で自然を楽しみましょう!4月27日(土)、9月7日(土)、11月9日(土)の全3回に渡って行い、講…
  5.  いつの間にか春も盛り。寒いうちに庭木に寒肥(肥料)を与えておこうと思ったのに遅くなってしまいました。寒い時は庭仕事がどうしても億劫になって…
  6. 【写真】ケヤキ一枚板のカウンターと。左から鈴木さん、悦子さん、智明さん  大谷家具製作所は2011年11月に長南町長南に工…
  7. 『リーダーハーフェン』は1982年結成の男声合唱団で、42年間その歌声を響かせてきた。構成は、トップテノール・セカンドテノール・バリトン・…
  8.  多くの映画ファンを虜(とりこ)にした女優オードリー・ヘプバーンを、前半・後半と2回に分けて掲載します。ヘプバーンは今でも日本や欧米諸国で人…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】アブドゥルラーマン・アブダラ『最後の3人』(平三)  千葉県誕生150周年記念事業『百年後芸術祭~環境と欲望~内房…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る