ふるさとビジター館 自然探訪~独特な鳴き声 ヒクイナ~

 顔から腹、足や目が鮮やかな赤色で、背が茶褐色の可愛らしい全長23㎝程の鳥。生息地は主に水田などの湿地、泥地。長い指で泥に脚をとられず自由に歩き、昆虫やミミズなど小動物を捕らえる。警戒心が強く、密生した植物の陰に潜むことが多いのでなかなか姿を確認できないが、「コッ、コッ、コッ…」と連続でアップテンポしながら、戸を叩くような独特の鳴き声で存在がわかる。フクロウと並び大河ドラマの夜の効果音として使われることもあり、耳にした方もいるだろう。市原市ゆかりの菅原孝標女 『更級日記』にも「たたくとも誰かくひなの暮れぬるに山路を深く尋ねては来む」と歌われており、昔からその鳴き声が人々に愛されてきたようだ。
 水田の住宅地等への転換や圃場(ほじょう)整備などの環境変化により、1990年代以降、著しく減少し準絶滅危惧種に指定された。しかしここ数年、増加しているのでとの報告がある。房総半島では、これまで夏鳥とされ冬季の観察例はほぼなかったが、夏季・冬季ともに観察例が増えている。私も作年冬季に、市原市、木更津市の10カ所近くで観察した。休耕田の増加で、適した生息環境が増え数が増加しているのではという説の一方、冬季の分布拡大は、地球温暖化に関係し、越冬個体が北上しているのではないかという見方がある。
 憶測の域を出ない議論となっているが、見守っていきたい。
(ナチュラリストネット/岡嘉弘)

 

◇ナチュラリストネット/自然を愛する仲間の集まりです。豊かな自然環境をいつまでも永く残したいと活動しています。 Tel.080・5183・9684(野坂)

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  成田市にある宗吾霊堂(鳴鐘山東勝寺)では、6月23日(日)まで、『第19回宗吾霊堂紫陽花まつり』を開催中です。本堂裏手には広大なあじさい園…
  2. 【写真】撮影者:桐谷茂生  2009年に創立された南市原写真クラブ。メンバーそれぞれが様々な課題の追求で撮影し、その成果を…
  3.  市原を中心とした房総の地域歴史を調査・探求している房総古代道研究会は、令和6年4月、会誌『房総古代道研究(七)』(A4版82ページ)を発刊…
  4.  市原市俳句協会は、市原市が誕生した翌年の昭和39年に発足し、今年60周年を迎えた。当初の名称は「市原市俳句同好会」だったが、平成21年に子…
  5.  春に咲いたヤマグワ(山桑)の実を目当てに里山を散策した。  クワ科クワ属で高さ3~15メートルの落葉低木~高木。人の手が入らなくなった雑…
  6.  この写真は数年前の5月下旬、市原市宮原地区で撮ったものです。五井の街の近くなのですが、こんな広大な風景が見られるなんて凄いですね。  私…
  7. 『長南ビブリオカフェ』は毎月最終土曜日に、参加者が紹介したい本を持ち寄る書評合戦・ビブリオバトルを開催している。『長南ビブリオカフェ実行委…
  8. ●ハワイアンズでしか見られない迫力のパフォーマンスをお届け 「ハッピードリームサーカスin ハワイアンズ」  いわき湯本の豊富な温泉で、6…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 『長南ビブリオカフェ』は毎月最終土曜日に、参加者が紹介したい本を持ち寄る書評合戦・ビブリオバトルを開催している。『長南ビブリオカフェ実行委…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る