ふるさとビジター館 自然探訪~身近な冬鳥・ツグミ~

 ツグミという野鳥をご存じの方も多いだろう。体長23~25㎝、白い眉斑で、頭から背面は黒褐色。羽が茶褐色で、胸から腹にかけてはうろこ状の黒い模様がある。繁殖地のシベリア方面から11月末ごろに群れで渡来、林や街路樹、公園に現れる身近な冬鳥だ。渡来当初のしばらくは、群れで木の実などを食し、徐々に散らばって、平地の里山や農耕地・草原・都市部などに移動、冬を越す。木の実が乏しくなると開けた地上に降り、ミミズや落ち葉の下の虫を食べる。
 地上でエサを探すときは、両足を揃えてピョンピョンとホッピングし、斜め45度に胸を反らしてピタッと制止する。この独特のユーモラスな動きは「だるまさんが転んだ」を思い起こさせる。胸をそらせる理由は、開放的な地上だと天敵である猛禽類から身を隠すことができないためで、動きを一時止めることで察知され難くし、上空や周囲を常に警戒する姿勢と言われている。
 かつて日本では、焼き鳥などの食用として乱獲されていたという。現在捕獲は禁じられているが、伝統的にカスミ網猟をしていた地方では食用の習慣が残り、密猟はなくなったとは言えず問題視されている。3~5月頃には再び群れとなって、繁殖のためにシベリアへと北上する。多くのツグミが安心して越冬できる環境整備がより求められる。
(ナチュラリストネット/岡嘉弘)

 

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