こでまりの夢~じょうぶな頭とかしこい体になるために~

 絵本作家の五味太郎さんが書いた本に『じょうぶな頭とかしこい体になるために』という本があります。「何をしたいか自分でもよくわからないんだ」とか「学校に行かなくちゃいけないの?」という子どもの疑問や訴えに答えるQ&A集なのですが、このやり取りがとても面白い。「かしこい頭」と「じょうぶな体」を育てる方法論はたくさん出回っていますが、この本は、状況を考えて行動し、自分の体の使い方がわかることの意味を説いてくれている「なるほど!」と思える本なのです。

 そして、こうも綴ります。『自分で考え、自分で悩み、自分でしかり、自分をはげまし、そして自分を可愛がってゆくしかないのです。そのために、けっこうきつい問題でもなんとかこなせる〈じょうぶな頭〉と、好きは好き、嫌いは嫌いとはっきりわかる〈かしこい体〉が必要なんだろうと思います。気の毒な大人があみ出した、かしこい頭とじょうぶな体になるための方法をまじめにやっていても、さらに気の毒になるしかないのです』と。

 もちろん、一つの考え方なのですが、「じょうぶな頭とかしこい体」を持った子どもたちが増えて、自分の人生を切り開き逞しく育ってくれたら、世の中は変わるだろうなと思いました。

 

◇中嶋 悦子(なかしま えつこ)
1965年生。宮崎県出身。二男二女の母。大網白里市在住。エンカレッジ・ステーション(株)代表取締役社長。NPO法人民間児童館おおきなかぶ理事長。社会福祉法人ありんこ会理事長。ありんこ親子保育園園長。保育士。エッセイスト。 Tel.0475・53・3509

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