懐かしのシネマ~オードリー・ヘプバーン~

 多くの映画ファンを虜(とりこ)にした女優オードリー・ヘプバーンを、前半・後半と2回に分けて掲載します。ヘプバーンは今でも日本や欧米諸国で人気の高い女優で、読者の皆様にも様々な思い出があるかと思います。何十年か前、ヘプバーンの魅力についてのアンケート記事で、女性67%・男性56%が「清楚(せいそ)で気品がある」と答えていました。「永遠の妖精」と呼ばれた彼女のイメージは、やはり抜擢(ばってき)された王女役が決定づけたのではないでしょうか。自分もその「ローマの休日」(モノクロ)が初見で、これほど爽やかでロマンティックな映画は初めてだと、とても感動したのを覚えています。

 ヘプバーンは1929年5月4日(昭和4年)ベルギー生まれ、1993年1月20日(平成5年)スイスにて63歳没。国籍:イギリス、職業:女優(映画・舞台・テレビドラマ)、活動期間:1948~1989年。メル・ファーラー(監督・俳優)、アンドレア・マリオ・ドッティ(医師)との間に、それぞれ男子がいます。

 1953年(昭和28年)「ローマの休日」でアカデミー主演女優賞に輝き、その後も1954年「麗しのサブリナ」、1959年「尼僧物語」、1961年「ティファニーで朝食を」、1963年「シャレード」、1964年「マイ・フェア・レディ」、1967年「暗くなるまで待って」など話題作に出演。アカデミー賞のほか、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞を受賞し、舞台作品「オンディーヌ」でトニー賞、演劇主演女優賞を受賞。さらに死後にもグラミー賞とエミー賞を受賞し、アカデミー賞・エミー賞・グラミー賞・トニー賞を受賞した数少ない女優のひとりとなっています。

 70年代以降のヘプバーンは、映画など出演を非常に限定してしぼり、多くの時間を国際連合児童基金(ユニセフ)の仕事に捧げました。1988~1992年にはユニセフ親善大使として、アフリカ・南米・アジアの恵まれない人々への援助活動に献身。1992年には、アメリカ合衆国における文民への最高勲章である大統領自由勲章を授与され、その受勲1カ月後の1993年1月、自宅で虫垂癌のため63歳で身罷(みまか)りました。

 2020年には、彼女のドキュメンタリー映画「オードリー・ヘプバーン」がイギリスで制作され、日本では2022年5月に公開。貴重なアーカイブ映像をリマスターして使用、ヘプバーンの息子や孫、共演した俳優や監督など、数多くの関係者がインタビューで出演しています。「彼女がその人生で何を求めていたのか」が描かれた映画です。

※文中の一部は新聞等から引用しています。

 

◇黛葉(まゆずみ・よう)
茂原市在住。1942年生。元映画配給会社宣伝プロデューサー。現役時代は年200本以上を鑑賞、現在、放送された洋邦画の録画DVDは1100枚以上にのぼる。

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