こでまりの夢

~わが子は、どこで誰に、お世話になっているかわからない~

 子どもが、保育園や幼稚園へ行くようになると、親が見えない部分が増えてきます。わが子たちが幼稚園へ行き始めた頃、クラスになじめなくて泣いた時、園長先生にお世話してもらったこと。転んで擦りむいたとき、お友達のお母さんが手当てをしてくれたことなど、このようなことがあったということは、後になって知りました。お世話になったことを知らず、子どもから後で聞いて、親として恥ずかしい思いをたくさんしました。中学校や高校へ行くようになると、もっとたくさんの人間関係ができてきます。どこでどう誰と過ごしているか、まったく見えない部分がもっと増えてきます。
 以前、ある小学校の先生から「保護者の中には、自分の子どものことしか見えていない人がいます。わが子が不利になることがあると、お叱りのお電話をいただくことがあります」とお聞きしたことがありました。わが子は、どこで誰に、お世話になっているかわかりません。一部だけを見て「不利だ、損だ」と判断しないことが大切です。不利だとか損だと思うその何十倍も、世間の人にお世話になっているし、ご迷惑をおかけしているのですから。
「子どもはどこで迷惑をかけるかわからないのだから、親は頭を下げて道を通らせてもらいなさい」と、昔、恩師に教わりました。親は、謙虚で礼儀正しく、頭を下げられる人間でいなければならないですね。「不利だ、損だ」と言えばいうほど、わが子が不利になるし、損をするのではないかと思うのです。

中嶋 悦子(なかしま えつこ)
1965年生まれ。宮崎県出身。二男二女の母。大網白里市在住。エンカレッジ・ステーション(株)代表取締役社長。NPO法人民間児童館おおきなかぶ理事長。ありんこ親子保育園理事長。エッセイスト。
http://www.en-sta.jp
連絡先 TEL 0475-53-3509

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